移籍専門記者による強化部門解説|バルセロナ編「今後は元ミランSDの存在感が高まる可能性も」

2015年12月30日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

補強戦略そのものはバルトメウ会長とその側近の手に。

2015年夏に元ミランのブライダをSDに迎えたが、ここまではアルダ(写真)の獲得を含めて補強の意思決定には関わっていない。今後の動向に注目が集まる。(C)Getty Images

 2015年いっぱいは移籍禁止処分が続いて
いるため、強化部門を評価するのは難しい。
 
 2015年1月にアンドニ・スビサレータを更迭して以来、スポーツディレクターは不在だったが、同年夏に長年に渡ってミランでアドリアーノ・ガッリアーノ副会長の片腕を務めてきたアリエド・ブライダを迎えた。
 
 以降、ブライダはポール・ポグバやドメニコ・ベラルディの獲得についてユベントスと話し合いを持つなど、メルカートにおけるクラブの顔として振る舞っている。しかし、補強戦略そのものは、ジェゼップ・マリア・バルトメウ会長とその側近の手に握られている。
 
 レアル・マドリーで表向き強化の窓口を務めているゼネラルディレクターのホセ・アンへル・サンチェスと同様、このイタリア人SDもあくまで渉外役に留まっており、15年夏のアルダ・トゥランやアレイクス・ビダルの獲得も含めて、補強の意思決定には関わっていない。
 
 ただ、補強禁止処分が解ける今冬のメルカートからバルサは、世代交代も含めて近年になく大きな動きを見せることになるだろう。夏に向けたポグバの案件を含めて、今後はブライダの存在感も高まってくるのかもしれない。今冬の動きが注目される。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※『ワールドサッカーダイジェスト』2015.11.19号より加筆・修正
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。父は70~90年代にナポリ、ジェノア、レッチェなどで監督を歴任し、現在はTVコメンテーターのジャンニ・ディ・マルツィオ。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。父を通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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