常に厳しい目で見られながら『キング』に成長した鎌田大地。フランクフルトを離れる“ミスターヨーロッパ”の思い「CLに出続けたい」【現地発】

2023年06月10日 中野吉之伴

良くも悪くも地元メディアから注目される

フランクフルト退団が決定している鎌田。新天地はミランが有力視されている。(C)Getty Images

 鎌田大地がフランクフルトに別れを告げる日がやってきた。

 22-23シーズンのブンデスリーガを7位で終えたフランクフルトはこの時点で、来季のヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権を獲得。決勝まで進出していたDFBポカールで優勝すれば、ヨーロッパリーグ(EL)に出場できるチャンスを残していた。

 今シーズン限りでフランクフルトを去ることになっている鎌田も、リーグ最終戦のフライブルク戦後に、強い意気込みを語っていた。

「チームとしてライプツィヒはすごいいいチームだと思います。ただ年間を通して毎年1勝1敗くらいの感じ。彼らは常に順位も上にいるので、実力的に言えば、彼らの方が上かもしれないですけど、実際に試合をすれば勝てる確率は五分五分くらいだと思う。チームとして求められていることをまずやって、それプラスアルファ数字の面で何かチームに残せれればと思います」
 
 決勝では、2シャドーの一角でスタメン出場した鎌田は攻守に精力的な動きを見せた。ただ最後のところでコントロールが乱れたり、タイミングが少しずれたりで願っていた「数字につながるプレー」は出せずじまい。最終的に0-2で敗れ、ライプツィヒが優勝カップを掲げるシーンを眺めなければならなかった。日本代表MFにとってはこれがフランクフルトでのラストマッチとなった。

 鎌田は良くも悪くも地元メディアから注目される選手と言える。中盤でゲームを掌握し、守備で的確な動きを見せても、それだけでは満足されない。優れた嗅覚で決定機に絡み、惜しいチャンスをつかんでも、それだけでは評価は上がらない。

それは期待値と評価基準値がかなり高く設定されているからだ。試合の流れを決定的に変えることができるだけの資質を持った選手なのだから、それができなければダメなんだという目で見られる位置にいる。

思い返せば、フランクフルトに加入した頃は懐疑的な目でみられていた選手が、そこまで厳しい目で見られるところまで成長した。感慨深いものがないだろうか。


【動画】長谷部がアシスト!鎌田がエリア外から決めた圧巻のゴラッソ

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