堂安律は「誇りに思っていい」 なぜCL出場の夢破れてもフライブルク指揮官や主力の言葉から充実感が伝わってくるのか【現地発】

2023年06月02日 中野吉之伴

最終節は「少し違和感のある試合展開」

堂安(左)は今季ブンデスリーガ29試合に出場し、5ゴール・4アシストを記録した。(C)Getty Images

 チャンピオンズリーグ(CL)には届かなかった。

 日本代表の堂安律が所属するフライブルクは、ブンデスリーガ最終節を前に5位。2023-24シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権を巡り、同勝点で4位のウニオン・ベルリンと熾烈に争っていた。運命の最終節、フライブルクはアウェーでフランクフルト、ウニオンはホームでブレーメンとの試合に臨んだ。

 どちらも同じ結果の場合は、順位が上のウニオンが4位でフィニッシュ。ウニオンが引き分けか負けでフライブルクが勝利、あるいはウニオンが負けてフライブルクが引き分けた場合に、4位と5位の順位が入れ替わるシチュエーションだった。

 最終節は同時刻キックオフ。他会場の試合動向が気にならないはずがない。この日も先発出場していた堂安は、そんな雰囲気を感じ取りながら、プレーしていたようだ。

「少し違和感のある試合展開だった。ウニオンの結果を見ながらということで。1-0で終われば何かあるんじゃないかと、期待を抱きながら過ごしていました。ただ、ふたを開けてみれば相手(ウニオン)も勝ちましたし、残念だなと」

【動画】堂安が起点となった最終節の先制ゴール
 フライブルクの試合運びは悪くなかった。3-4-3の布陣でフランクフルトの中央からの攻撃をうまく抑えながら、ボールを奪うと素早いパス交換で相手ゴール前へと運ぶ。ハンガリー代表のロランド・シャライ、ドイツU-21代表のノア・ヴァイスハウプトという攻撃的なキャラクターをウイングバックに配した効果で攻撃の起点も多くなっていた。

 ファン待望の瞬間は44分だ。堂安とシャライのコンビで右サイドを崩すと、イタリア代表歴を持つMFヴィンツェンツォ・グリフォがクロスに合わせて0-0の均衡を破った。

 後半もうまくしのぎつつ、カウンターから惜しいチャンスを作り出した。だが、フランス代表のFWランダル・コロ・ミュアニにヘディングシュートを決められた83分以降、相手の勢いを抑えられなくなってしまう。連続失点をかろうじて免れていたが、アディショナルタイム、途中出場のMFジュニオール・ディナ・エビンベに逆転ゴールを許してしまった。

 そのシーンを目の当たりにしたフライブルクのクリスティアン・シュトライヒ監督は、じっと立ったまま動かなかった。
 

次ページ強く印象に残るシュトライヒの言葉

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