【選手権代表校】大津(熊本)|ハイレベルな「人材の宝庫」。G大阪内定コンビを軸に狙うは初優勝!

2015年12月24日 安藤隆人

攻守に隙のない陣容、個性的なタレントが揃う。

来季のG大阪加入が内定しているキャプテンの野田。U-18日本代表でも最終ラインを統率する世代屈指のCBだ。

 錚々たるタレントを揃える、九州の実力派集団だ。
 
 今年のチームは、ともに来季のG大阪加入が内定するFWの一美和成とCBの野田裕喜というU-18日本代表コンビに大きな注目が集まるが、大津が"タレント集団"と形容される所以は、このふたりがいるからだけではない。
 
『多士済々』
 まさに今年の大津には、この言葉がぴったりだ。攻撃面で言えば、1トップの一美の後方に構えるトップ下の吉武莉央はアジリティーとイマジネーションに優れた司令塔。瞬時の判断で相手の力を無にするスルーパスや、ドリブルでチャンスを演出する。
 
 両ワイドの人材も強烈だ。左の原岡翼はドリブルのスピードがあり、巧みなコース取りで一気にカットインすると、速さと正確性を備えたパスやシュートを繰り出す。とりわけ脅威の決定力を誇るフィニッシュワークは注目だ。プリンスリーグ九州では、2位の一美を3ゴール上回る17点で得点王を獲得している。そして右サイドの2年生・杉山直宏は滑らかなステップワークと独特のリズムで相手を交わしていく。この両翼が強烈な個性を放ち、破壊力のある攻撃を支えている。
 
 エースの一美ですら安泰ではない。12月中旬に行なわれた高円宮杯プレミアリーグ昇格決定戦で、一美は怪我もありベンチスタートとなった。代役に抜擢された2年生FWの藤山雄生は、180センチ台の高さと身体の強さを活かしたポストプレーで躍動。彼の台頭はチームにさらなる厚みをもたらした。
 
 守備に目を向けると、すでにJ2の熊本でプロのピッチにも立っている野田を中心に、実力者たちが揃う。野田とCBコンビを組む眞鍋旭輝はヘッドに強く、冷静さも兼備。正GKの前田勇矢もGK転向から間もないが、安定したゴールキーピングを見せる。坂田直樹と大塚椋介の両サイドバックも高い技術を有し、粘り強い守備が持ち味だ。
 
 そして、中盤で不動の存在となっているのが、攻守をつなぐアンカーの河原創で、チームの浮沈の鍵を握っていると言っていい。豊富な運動量と献身性、多彩なキックを武器に、攻守両輪の中枢となっている。特に守備面では走力のあるシャドーの河田健太郎と連係を密にし、カウンターへのリスクマネジメントにも抜かりはない。
 
 今年の大津は、間違いなく攻守両面でハイレベルな人材が揃ったチームと言えるのだ。
 

次ページプレミア参入戦での激戦でコンディションに不安も、新星の台頭は十分にあり得る。

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