優勝がかかる大一番、浦和Lが優位に立てたのは先制点まで。プレスがはまらず、縦に急ぎ過ぎ、消耗戦に引きずり込まれ、痛恨の逆転負け【WEリーグ】

2023年05月28日 西森彰

成長著しい若手が先制弾

勝てばリーグ初優勝が決められた浦和Lだったが…。戴冠は次節以降に持ち越しに。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[WEリーグ第20節]長野L2-1浦和L/5月27日/長野Uスタジアム

 WEリーグ第20節の1日目、5月27日、優勝へあと1勝としていた首位の三菱重工浦和レッズレディースは、長野Uスタジアムに乗り込みAC長野パルセイロ・レディースとのゲームに臨んだ。この試合に勝てば、翌日に行なわれる2位・INAC神戸レオネッサと3位・日テレ・東京ヴェルディベレーザとの結果に関わらず、優勝が決する。

 先制点は11分、浦和Lにもたらされた。右サイドに流れた猶本光が、中央に向かってドリブル。「中に入らず、外に開く動きをしてほしい」と練習から伝えられていた島田芽依が、猶本の注文どおりに左のスペースでフリーになっていた。

「(猶本が)突破してくれると思っていたので、パスを受けようと走っていたら、後ろからマークがついてきていなくて、左のスペースが空いていたので、そこで受けたら決められるなと」(島田)。

 そこへ、猶本が左足でパスを通す。イメージどおりのトラップから、コースを狙いすましてのシュート。天王山とも言えたI神戸戦に続き、成長著しい若手のひとりがこの日も試合を動かした。

 しかし、浦和Lがはっきりと優位に立っていたのはそこまでで、ここから長野Lの反撃が始まる。いつもとは違い、前線からのプレスがはまらない。
 
「相手のサイドバックへのプレッシャーが遅れて後手に回ってしまった」と清家貴子。その理由については「思ったよりも後ろのポジションを取ってきたので、後ろへの声かけとタイミングが合わなかった」と語る。

 これまでの試合では、守備網のどこかで引っかけていたボールが、この日はゴール付近まで持ち込まれる回数が少なくなかった。22分、瀧澤莉央が、川船暁海を使って侵入してシュートしたシーンや、26分、川船のバーに弾かれたシュートなど、前半のうちから長野Lにも得点チャンスが生まれていた。

 浦和Lの1点リードで迎えた後半。このままリードを活かして、セーフティな戦いをするか。それとも、もう1点を狙いに行くか。

 焦点は、そこに移ったかに見えたが、実際には「その前の、上手くいかなかった前半の戦いを受けて、後半、どう修正するのかというところでした」(清家)。
 

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