【ブンデスリーガ】前半戦総括「王者バイエルンが下馬評通りの進撃を続ける」

2015年12月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

優勝争いの灯がどこまで持つかは、ドルトムントの出来次第だ。

レバンドフスキ(左)やミュラー(中央)ら既存戦力に加えて、D・コスタ(右)など新戦力も躍動。バイエルンは盤石の戦いを見せる。(C)Getty Images

 ライバルを寄せ付けない力強い歩みを見せ、首位を快走しているのが、前人未到の4連覇を狙う王者バイエルンだ。6節に昨シーズン2位のヴォルフスブルク、8節に復活したドルトムントにいずれも5-1の大勝を収め、対抗馬と目された強豪を完膚なきまでに叩きのめしながら、開幕10連勝という新たな金字塔を打ち立てた。
 
 格下相手の取りこぼしは、11節のフランクフルト戦(△0-0)のみ。15節のボルシアMG戦(●1-3)で無敗はストップしたものの、貯金が大きくモノを言い、後続のプレッシャーに晒される事態には直面していない。
 
 ほぼ完璧だったのは、バイエルンだけではない。ドルトムントも満点に近いパフォーマンスを見せた。その原動力はトゥヘル新監督。名将クロップの後を引き継ぐという難しいタスクを与えられながら、ポゼッションとカウンターを高次元に使い分けるモダンな集団を作り上げ、欧州のトップクラスと称された2~3年前と遜色ない競争力を取り戻させた。優勝争いの灯がどこまで持つかは、ドルトムントの今後の出来次第だろう。
 
 4位に付けるボルシアMGは、開幕5連敗がとにかく悔やまれる。解任されたファブレの後を引き継いだシューベルト新監督の初陣となった6節以降、本来の、いや、昨シーズン以上の好パフォーマンスを披露し、リーグを席巻しているからだ。
 
 上位進出を狙う有力クラブの中で波に乗れなかったのは、シャルケとレバークーゼンだ。過去40年で最高の滑り出しを見せた前者(5勝1分け1敗)は尻すぼみで、リーグで2番目に投資額が多い大型補強を敢行した後者は開幕から安定感を欠いている。
 
 不甲斐ないこの両雄の尻尾をつかみかけている昇格組、インゴルシュタットとダルムシュタットの健闘は、良い意味でのサプライズに。タレントの不足分を運動量や組織力で補い、降格候補という下馬評を覆している。ヘルタ・ベルリンやマインツが好調なのも、同様の強みを活かせているからだ。
 
文:遠藤孝輔
※『ワールドサッカーダイジェスト』2016.01.07号より加筆・修正
 
【2015-16 ブンデスリーガ順位表(17節終了現在)】
1位 バイエルン(勝点46/46得点・8失点)
2位 ドルトムント(勝点38/47得点・23失点)
3位 ヘルタ・ベルリン(勝点32/26得点・18失点)
4位 ボルシアMG(勝点29/34得点・30失点)
5位 レバークーゼン(勝点27/25得点・20失点)
6位 シャルケ(勝点27/23得点・23失点)
7位 ヴォルフスブルク(勝点26/26得点・21失点)
8位 マインツ(勝点24/23得点・23失点)
9位 ケルン(勝点24/18得点・21失点)
10位 ハンブルク(勝点22/19得点・23失点)
11位 インゴルシュタット(勝点20/11得点・18失点)
12位 アウクスブルク(勝点19/21得点・26失点)
13位 ダルムシュタット(勝点18/17得点・26失点)
14位 フランクフルト(勝点17/21得点・28失点)
15位 シュツットガルト(勝点15/22得点・37失点)
16位 ブレーメン(勝点15/17得点・32失点)
17位 ハノーファー(勝点14/18得点・29失点)
18位 ホッフェンハイム(勝点13/17得点・25失点)
※CL出場権獲得=1~4位、EL出場権獲得=5~6位(+DFBカップ優勝チーム)、2部降格=17~18位、16位は2部3位と昇格/降格プレーオフを行なう
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