「ソシエダの王」「シルバから魔術師の称号を奪うかのよう」衝撃ゴラッソの久保建英に番記者も驚嘆!ファンは引き抜きに“諦め”も「長くプレーするのは難しい…」【現地発】

2023年05月27日 ミケル・レカルデ

対峙するDFは1対1を仕掛けられると勝つ見込みがない

アルメリア戦で圧巻のゴラッソで決勝点を叩き出した久保。(C)Getty Images

 マドリードの中心街には、数多くのトリレロが暗躍している。トリレロとは、路上賭博の仕込み役だ。顧客が選んだカードやボールを隠し、当てることができないように操作する。彼らが存在する限り、勝つ見込みがないわけだ。

 タケ・クボ(久保建英)はピッチ上のトリレロかもしれない。もちろん詐欺師という意味ではない。ボールを隠す能力に長け、対峙するDFは1対1を仕掛けられると、勝つ見込みがないからだ。

 昨シーズン、イマノル・アルグアシル監督はミケル・オジャルサバルの負傷を機に4-4-2の導入に踏み切った。しかし今シーズンここにきて再び4-3-3が定着している。その背景にあるのが、タケの爆発だ。実際、この1か月間の活躍ぶりは、今シーズンのラ・リーガの顔であるアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリー)と比べても遜色ない。
 
 アルグアシル監督が図っている戦術構築もエースのそれだ。タケが右サイドでボールをキープする場面では、あえて味方の選手を近づかせないようにしている。全ては敵左SBとの1対1の仕掛けに専念させるためだ。タケが局面を打開すれば、ソシエダとっては即チャンスだ。

 末恐ろしいのは、フットボーラーとして現在進行形で進化を続けていることだ。アルグアシル監督もアルメリア戦後、こう発言している。

「タケの活躍ぶりにはとても満足している。素晴らしいシーズンを過ごしている。しかし私はもっと求めている。彼にはもっと多くのことができる可能性があると思っている。チームや同僚たちに完璧に適応しているが、選手の潜在能力を最大限引き出すことがわたしの役割でもある。タケにはまだまだポテンシャルがある。何よりも彼自身が真っ先に自らの持つ可能性を信じている」

 力強い言葉だが、同時に不安も生じる。今後も現在のハイレベルなパフォーマンスを維持することができれば、遅かれ早かれ移籍が現実味を帯びてくるからだ。タケが再三にわたってソシエダ愛を公言しても、それがフットボール界における市場の法則であり、そこから逃れる術はない。

【動画】「エグすぎ 声出たわ」「もう神やろ」と驚嘆の声!久保が決めた超絶ゴラッソ

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