【岩本輝雄】時間とリズムを作れる井上潮音の存在価値。躍進を期す横浜FCでもはや不可欠なキーマンだ

2023年05月22日 岩本輝雄

2列目から飛び出して見事なフィニッシュ

潮音の存在感がますます高まってきたね。川崎戦のボレー弾は見事だった。(C)SOCCER DIGEST

[J1第14節]横浜FC 2-1 川崎/5月20日/ニッパツ三ツ沢球技場

 フロンターレがそこまで悪かったわけではない。瀬古のFK弾は素晴らしかったし、ボールを握れば十分に脅威を与えていた。

 でも、横浜FCが粘り強く対抗して、少ないチャンスを確実にモノにした。ボレーで奪った潮音の先制点、圧巻のスピードで車屋をぶっちぎって、最後はGKの股を抜いた山下の追加点は、いずれもスーパーなゴールだった。

 ポゼッションでは後手に回った。でも、相手にボールを"持たせている"という印象だったはず。横浜FCの選手たちに、慌てている様子はほとんどなかった。まずはしっかり守る。チャンスと見れば、一気に仕掛ける。割り切った戦い方がハマっていると思う。

 前節のレイソル戦に続き、フロンターレにも勝って、今季初の連勝。結果が伴ってきたなかで、注目しているのがボランチの潮音だ。

 昔からよく知っている選手で、今季から横浜FCに移籍して、着実に存在感を増している印象だ。技術が高くて、とにかくボールが収まるし、簡単にロストしない。戦術眼に優れていて、良いところでパスを受けて、的確にさばく。
 
 今の横浜FCで、こういう選手の存在は大きいよ。守って、奪ったボールを縦に蹴る。それが効果的な場合もあれば、そればかりではやっぱりキツくなる。でも、潮音は状況判断も良いから、ゲームの流れを見ながら、時間とリズムを作って、攻撃が単調にならないように調整する。

 そのうえで、フロンターレ戦では点も取るんだから凄いよ。浮き球のパスを頭でコントロールして、振り向きざまに左足ダイレクト。本人に聞いたら「思い通りに上手くいった」と言っていたけど、2列目から飛び出していって、あのフィニッシュはお見事。難しいシュートを難なく決める。ポテンシャルを示したよね。
【動画】井上潮音の技あり左足ボレー弾!
 あえて注文を付けるとするなら、周りとの関係性かな。キープして、確実にボールを動かせるとはいえ、まだちょっとパスの受け手を"探す"時がある。ボランチの相棒や、前のシャドーとの距離感がもっと良くなれば、チームとしてポゼッションが良化して、チャンスの数も増えていくと思う。

 その中心となるのが、潮音なんじゃないかな。横浜FCがさらに勝点を積み上げていくためにも、ゲームメイクで絶妙なアクセントをつけられる彼がどれだけ輝けるか。今後も注目していきたいね。

【著者プロフィール】
岩本輝雄(いわもと・てるお)/1972年5月2日、51歳。神奈川県横浜市出身。現役時代はフジタ/平塚、京都、川崎、V川崎、仙台、名古屋でプレー。仙台時代に決めた"40メートルFK弾"は今も語り草に。元日本代表10番。引退後は解説者や指導者として活躍。「フットボールトラベラー」の肩書で、欧州CLから地元の高校サッカーまで、ジャンル・カテゴリーを問わずフットボールを研究する日々を過ごす。

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