「凄まじい」「嵐を巻き起こした」躍動した久保建英をソシエダ番記者が激賞!「彗星のように限界が見えない」【現地発】

2023年05月18日 ミケル・レカルデ

「今シーズン最高の輝きを放っている新戦力」

ジローナ戦で圧巻のパフォーマンスを見せた久保。(C)Getty Images

 随分前からタケ・クボ(久保建英)は圧倒的なプレーを見せてきた。4シーズン連続で欧州カップ戦の出場権を獲得した(クラブ史上2度目の快挙だ)レアル・ソシエダにおいて攻撃に違いを作り出す存在になっていた。

 ジローナ戦でもほぼ完ぺきな嵐を巻き起こし、今シーズン最高の輝きを放っている新戦力であること、そのカテゴリーがワールドクラスであること、21歳を迎えその成長は彗星のように限界が見えないこと、イマノル・アルグアシル監督がもたらした継続性と環境が後押しし、ラ・リーガにおける偉大な発見とセンセーションになっていること実証した。

 先ほど完璧のまえに「ほぼ」と前置きしたのは、得点が伴わなかったからだ。2度ゴールに迫ったが、詰めを欠いた。とはいえ、チームが決めた2得点両方に絡んだのもタケだった。1点目はPKを奪取し、2点目はメロディアスなクロスを配給し、お気に入りの相棒のダビド・シルバは押し込むだけでよかった。

 アルグアシル監督がモハメド=アリ・ショという優秀なジョーカーの投入を見送ったことがその活躍を物語っていた。

【動画】じわじわドリブルでマーカーを翻弄!久保のPK奪取シーン
 貧乏くじを引かされたのは、対峙したハビ・エルナンデスだ。タケの左右両足から繰り出される電流と技術に翻弄され、これ以上拷問を受けさせるのは酷と判断したミチェル監督は交代させたほどだ。バスケットボールであれば、5つのファウルで退場させられていただろう。

 アノエタで、個人レベルにおいてこれほどのパフォーマンスを見せたのは久しくなかった。実力者揃いのチームメイトたちもその活躍の前に引き立て役にとどまった。 

 開始3分、早速魅せた。サイドでパスを受けると、間合いを見極めた後、一気に抜きにかかると、ロドリゴ・リケルメはたまらず足をかけた。完全なPKだった。スペシャリストのミケル・オジャルサバルが冷静に沈めてソシエダが先制した。

 15分、ソシエダのハーモニーを奏でるかのようなパスワークを経て、今度はタケがフィニッシュ役を担ったが、左足から放たれたシュートは、力なくサイドネットに外れた。そして24分、前述したゴールへの招待状をシルバに送り、2-0。その3分後には、ヒールを駆使した鋭い切り返しを見せると、33分にもほぼゴールに背を向けながら、浮いた球を巧みにコントロールして足元に収めると、カウンターを発動。高い技術を立て続けに披露し、観客を沸かせた。

【動画】「100点満点」「最高じゃん!本当にご馳走様」と反響!久保のピンポイントアシストをチェック

次ページチームメイトがボールを持てば、真っ先に右サイドに視線を向ける

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事