ドルトムント、年内最終戦は逆転負け…香川は違いを生み出せず――ケルン 2-1 ドルトムント

2015年12月20日 遠藤孝輔

攻守に奮闘したケルンは幸運にも恵まれ、5試合ぶりの勝利!

 ウインターブレイク前のラストマッチ、ブンデスリーガ第17節のケルン対ドルトムントは、劇的な幕切れとなった。
 
 凱歌を上げたのはホームチーム。内容の伴った逆転勝利(2-1)を収め、今シーズン6勝目(6分け5敗)を挙げた。
 
 試合が動いたのは18分。左からのCKに頭で合わせたCBパパスタソプーロスが、ドルトムントに先制点をもたらす。ボールを圧倒的に支配しながらも、流れのなかから決定機を作り出せていなかったアウェーチームにとっては、大きな一発となった。
 
 ここから畳み掛けるのが今シーズンのドルトムント。しかし、この日は攻撃陣が噛み合わない。自陣のスペースを消してきたケルンを攻めあぐね、むしろショートカウンターからピンチを迎える場面が続出する。
 
 ケルンが狙ったのは、リーグ戦では約2か月ぶりの先発出場となったSBパク・チュホが守るドルトムントの左サイド。中盤でボールを奪ってからのショートカウンターを徹底し、そのサイドから25分、27分、41分と惜しいチャンスを作り出した。
 
 ハーフタイム、リードしているドルトムントが2枚のカードを切る。攻守に精彩を欠いたパク・チュホと疲労の色が濃いCBフンメルスを下げ、シュメルツァーとベンダーを投入。悪い流れを断ち切るべく、トゥヘル監督は早い段階で手を打った。
 
 しかし、ケルンの勢いはむしろ増す。セカンドボールへの出足が鋭く、全体的に動きが鈍いドルトムントに主導権を明け渡さない。
 
 48分にはスベント、61分にはツォラーがエリア内から際どいシュートを放ち、79分にはゲアハルトがポストをかすめるミドルを繰り出すなど、同点ゴールの香りを漂わせる。
 
 そして82分、手数をかけた攻撃を見せる一方、守備陣も身体を張ったディフェンスを見せていたケルンに幸運が。相手GKがフィードのミスを犯し、そのボールを拾ったツォラーがエリア内まで侵入し、左足で豪快にネットを揺さぶった。
 
 ケルンにとって今シーズン最大のハイライトとも言えるシーンが生まれたのは、その8分後だ。
 
 17試合目にして初めてスタメンを外れていたモデストが、値千金の決勝ゴールを叩き込んだのだ。それまで8戦連続でノーゴールに終わり、批判に晒されていた眠れる主砲が大きな仕事をやってのけ、チームに5試合ぶりの勝利をもたらした。
 
 一方、3試合ぶりのスタメンに返り咲いたドルトムントの香川はファーストタッチにブレが生じがちで、崩しの局面でも違いを作り出すには至らず。ベンチ入りしたものの、最後まで出番に恵まれなかったケルンの大迫とともに、年内ラストマッチを理想的なかたちでは締め括れなかった。
 
文:遠藤孝輔
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