【クラブW杯プレビュー】決勝・バルセロナ-リーベル|バルサのMSNが揃い踏みすれば、リーベルはあえて「受けに回る」選択も

2015年12月20日

【バルセロナ】MSNが揃い踏みか。欧州王者バルサに死角なし。

12月19日の前日練習に参加したメッシ(左)とネイマール(右)。いずれも出場可能となれば、バルサ有利は揺るがないか。(C)Getty Images

■バルセロナ(ヨーロッパ代表)
 
 12月17日の準決勝で、広州恒大を3-0と圧倒したバルセロナ。75パーセントという驚愕のボール支配率を記録し、FWのスアレスは大会史上初となるハットトリックを達成。規格外の強さを見せつけ、通算4度目となるクラブワールドカップの決勝進出を決めた。

【準決勝・バルセロナー広州恒大|採点&寸評】

 そしておそらく、リーベルと対戦する20日の決勝では、さらに1ランクか2ランク上の強さをまとったヨーロッパ王者の姿が見られるだろう。準決勝を左内転筋の怪我と腎結石により欠場したネイマールとメッシが、揃ってピッチに立つ可能性が高まっているのだ。
 
 ネイマールは18日の時点ですでに全体練習に復帰し、シュート練習やミニゲームにも参加。メッシも準決勝を欠場する原因となった結石はすでに体外に出たようで、19日のトレーニングに参加した。"MSN"の揃い踏みに期待が高まる。
 
 今シーズン、ここまでバルサが消化した公式戦27試合のうち、メッシ、スアレス、ネイマールが揃って出場したのは、実は9試合しかない。3人全員がフル出場したゲームとなると、わずか5試合のみだ。
 
 それでも、昨シーズンの公式戦で122ゴールを叩き出したトリデンテの破壊力、コンビネーションの質は衰えていない。実際、メッシが膝の故障から復帰し、MSNが揃い踏みとなった11月中旬以降の4試合では、3人で大量12ゴールを奪っている。

 準決勝の広州恒大戦で、バルサは敵を圧倒し、横浜の、いや世界中のフットボールファンを魅了した。ブスケッツやイニエスタを軸に伝統のポゼッション・スタイルを貫き通したその戦いぶりは、実にバルサらしく、そして黄金期を築いたグアルディオラ元監督の時代を想起させた。
 
 しかし、その美しき記憶は、ふたりのFIFAバロンドール候補が加わるであろう20日のリーベル戦後、忘却の彼方に追いやられるだろう。
 
 メッシ、スアレス、ネイマール。MSNの愛称を持つ前線の南米トリオによって、バルサは進化を遂げた。ポゼッションとカウンターが恐ろしいほどに高いレベルで融合した究極のハイブリッド型。それが、近年のバルサの本来の姿だ。
 
 決勝の相手はアルゼンチンの名門リーベル。個々の技術が高く、組織的にも優れた難敵だが、MSNが完全復活を果たすとすれば、もはやバルサに死角はない。テクニカルかつスピーディーで、スペクタクルな攻撃が見られるはずだ。
 
文:竹田忍(ワールドサッカーダイジェスト)

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