「強度も内容もレベルが全然違う」菅原由勢が欧州カップ戦準決勝で体感した“シビれる空間”。運命の第2レグへ「プライドを懸けて戦う」【現地発】

2023年05月16日 中田徹

オランダにおける「日本人最多出場」まであと2試合

カンファレンスリーグ準決勝を戦う菅原。ウェストハムの敵地で行なわれた第1レグは1-2の惜敗に終わった。(C)Getty Images

 AZは5月14日、ホームでエメンと対戦し5-1の快勝を収めた。

 18日にはUEFAカンファレンスリーグ準決勝、ウェストハムとの第2レグを控えているということもあり、セーフティーリードを奪ったAZは後半途中から主力を休ませた。右サイドバックの菅原由勢もそのひとり。キックオフ直前にAZでの公式戦150出場を祝う記念セレモニーに臨んだ菅原は、64分間に渡って攻守に安定したプレーを披露したのち、大きな拍手を受けながらベンチに退いた。

 実は、菅原の記念セレモニーは2週間後の今季最終戦、対PSVに行なわれる手はずだった。しかし、エメン戦にはかねてより菅原と交流を深めている在欄日本人少年サッカークラブ『Jドリーム』の子どもたちが応援に来ることから、セレモニーの日を変えてもらったのだという。彼らと試合後の交流会を催した菅原はこう語った。

「スポーツダイレクターのマックス(ハイベルツ)に『日本人の子どもたちが僕のセレモニーを観ることができたら、彼らの励みになるだろうし、何かを感じてもらえることができる』と言って今日にしてもらったんです。フル出場してゴールやアシストができたら、もっと子どもたちが喜んでくれたかもしれませんが、勝利を見せることができて嬉しいです」
 
 これで菅原はAZでの公式戦出場数を153に伸ばした。3位の小野伸二(元フェイエノールト。現札幌)はオランダで148試合プレー。1位はハーフナー・マイク(元フィテッセ、ADOデン・ハーグ)の155試合だ。順調に行けば、菅原は5月28日のPSV戦でハーフナーの記録を抜くことになる。

「俺、1位になれますね。狙っちゃいますか。 行っちゃいますかね(笑)。(区切りの)150試合出場を達成できたのは光栄です。内容がもっと大事ですけれど、数字を伸ばすことができたのはデカイです」

 各ポジションに2人以上の選手を抱えるAZだが、例外は右サイドバック。AZにこのポジションを本職とするプレーヤーは菅原ひとりしかいない。昨夏、ライバルがルドゴレツ(ブルガリア)へ去り、今季前半戦はセンターバックのパンテリス・ハツィディアコスが右サイドバックを務め、菅原が右ウイングをこなすこともあった。しかし、昨秋のワールドカップ直前からAZの右サイドバックは菅原のみに固定されている。

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