キャラガーが「成功体験にとらわれすぎた」とモウリーニョの過ちを指摘【モウリーニョ否定派コメント集】

2015年12月18日 内藤秀明

アーセナルOBのマーソンは今後の玉突き監督人事を予想。

現在SKYスポーツ(英国スポーツチャンネル)でサッカー解説を務めているキャラガーは、モウリーニョを「長期政権を築けるタイプじゃない」とコメントした。 (C) Getty Images

 12月17日、不振にあえぐチェルシーは、成績不振を理由にジョゼ・モウリーニョ監督の解任を発表した。
 
 プレミアリーグのみならず、世界的に見ても指折りの名監督であるモウリーニョの退陣には、アーセナルOBのティエリ・アンリが「リーグ全体にとっての痛手だ」と指摘するなど、別れを惜しむコメントが多く寄せられた。
 
 しかし、リーグ戦で昇格組のボーンマスに敗れる(12月5日15節●0-1)など、4勝3分け9敗で16位に沈んでいる今シーズンのパフォーマンスは、モウリーニョ政権下のチェルシーにおいて史上最低の数字であり、決して褒められた出来ではないのも確かだ。
 
 ここでは、チェルシーの結果を冷静に分析し、モウリーニョの解任は妥当とする関係者たちのコメントをまとめて紹介する。
 
ジェイミー・キャラガー(リバプールOB
「モウリーニョは独自の方法で勝利を求め、選手に多くの要求をした。時には選手を吊るし上げることもあったね。監督としてできる全てのことを試していたと思うよ。彼はこれまで多くの成功を掴んできた。だから、その成功体験にとらわれているのかもしれない」
 
「でも、チームを長く率いるために、様々なことを試している最中だったのかなとも思う。モウリーニョにとって長期政権ってのは未経験だったからね。いずれにしても、短期でなら彼以上の監督はそういないけど、長期政権を築けるタイプの監督ではないのだろう」
 
グレアム・スーネス(リバプールOB
「彼はドレッシングルームでの求心力を失ったんだろうな。何人かの中心選手は音を上げていただろ? チェルシーの戦力を考えれば、今の順位はばかばかしいものだよ」
 
ポール・マーソン(アーセナルOB
「次に解任されるのはファン・ハールかな。世界で最も優れた監督がフリーになったんだ。もし今週か来週の結果が芳しくなければ、ユナイテッドは今の監督を解任して、モウリーニョを就任させるだろうね」
 
 このチェルシーの大きな決断によって、マーソンが予想する通り、玉突きの監督異動が起こるかもしれない。確かに、ファーガソンが退任して以降、マンチェスター・ユナイテッドの監督候補には、常にモウリーニョの名前が挙げられている。
 
 いずれにしても、モウリーニョが去ったことは、チェルシーだけでなく多くのチームにも少なからず波及するだろう。
 
文:内藤秀明 text by Hideaki Naito
 
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