【川崎】多摩川クラシコの敗戦で改めて示された現在地。家長昭博、登里享平らが指摘した課題とは

2023年05月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

家長が語る今後へのヒント

多摩川クラシコは悔しい敗戦。3連勝中だった川崎は勝点を伸ばせなかった。(C)SOCCER DIGEST

[J1第13節]FC東京2-1川崎/5月12日/国立競技場

「成長する」「育てていく」

 鬼木達監督は今季、そういった言葉を口にする機会が多いが、リーグ3連覇を果たせず、他のタレントに続き、キャプテンを務めた谷口彰悟が海外挑戦して迎えた2023年の川崎はまさに世代交代を進めながら、新たにチームを作っていくフェーズを迎えている。

 その背景もあってシーズンインは想像以上の苦戦を強いられた一方、指揮官が「勝負どころ」と捉えた4月19日のルヴァンカップ・清水戦に快勝すると、チーム状態は向上。リーグ戦は引き分けを挟んでからの3連勝と、一気に調子を取り戻していた。

 しかし、国立競技場で迎えたFC東京との多摩川クラシコには1-2で敗戦。ここ数試合、CBとしてビルドアップに大きく貢献していた高井幸大がU-20ワールドカップ参加のために不在だった影響もあっただろうが、まだ少なくない課題をチームとして抱えていることが改めて表われる試合となった。
 
「一人ひとりがどんな状況でも力を発揮できる度量を上げていくしかない。チーム力で勝てるほど甘くない。個人個人が上手くなって上にいくしかない。それをなくして勝ち続けることはできないと思う。そこが圧倒的に足りないと感じる。

 毎年チームは変わり、毎年課題はあると思いますが、今年は現に勝てていない。それがチーム力かと言われれば多分違うと思う。それぞれの力がゲームに出ている。負けている試合が多いというのは、相手のほうが上だということは個々が成長するしかない。これは自分も含めて。圧倒的にそこから目は背けられない。

(3連勝した試合は)負けていてもおかしくない試合もあった。とんとんの試合を勝ちに持ってこられていた。今日はそのとんとんの試合を勝ちに持ってこられなかった。誰が見ても川崎が勝つ試合だと思ってもらえる試合をしなければいけない」

 そう振り返ったのは家長昭博だ。

 右SBの山根視来も「3連勝しただけで勘違いするなよということだと思うので、みんなで前を向いてやっていきたい」と口にする。

 FC東京戦で具体的に足りなかった点としては、まずは試合の入りで、後手を踏んでしまったことが挙げられるだろう。

「本当に単純ですが、反応が悪かったなと思います。セカンドボールの反応だったり、顔を出すタイミングやボールを出す反応だったり、そこのところで相手の方が非常に上回っていたと感じます。

 そういう時に何をしなければいけないか、自分たちで当然考えなければいけないところもありますし、そこに至るまでにこちらも指示は出しましたが、今日の雰囲気(Jリーグ30周年記念試合として5万人以上が来場)だとなかなか声は通らなかった難しい状況ではありましたので、やっぱり失点のところですね。なんだかんだ悪い流れでも我慢すれば、流れというものは持ってこられると思いますので、我慢強さが必要だったなと感じます」

 鬼木監督も振り返ったように、チームは序盤、FC東京の圧力を受け、25分までに2失点。39分には狙った形から中盤のパス回しで瀬古樹が前を向くと、そのスルーパスを受けた宮代大聖がコントロールショットを決めたが、後半立ち上がりすぐの脇坂泰斗の退場で、最後まで同点には追いつけなかった。

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