そして、バトンは繋がった!浦和V戦士が揃って口にした“チーム一丸”「槙野のゴールで…」「色んな人の気持ちを背負っての決勝だった」

2023年05月07日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「去年いた任やユンカーたちが予選で活躍して、決勝まで導いてくれた」

主将の酒井(2番)は準決勝まで腕章を巻いた西川(1番)と共にトロフィーを掲げた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 浦和レッズは5月6日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝の第2レグで、サウジアラビア王者のアル・ヒラルと埼玉スタジアム2002で対戦し、1-0で勝利。1-1で引き分けた第1レグと合わせ、2-1で制し、3度目のアジア制覇に輝いた。

 振り返れば、ここまでは本当に長い道のりだった。まず今大会の出場権を手にしたのは、2021年の12月のことだ。大分トリニータとの天皇杯決勝、その一戦をもっての退団が決まっていた槙野智章と宇賀神友弥が途中出場したなか、前者が後半アディショナルタイムに劇的な決勝点を叩き込み、アジアへの扉をこじ開けた。

 そして翌年、タイで集中開催されたグループステージ、全て埼玉で戦った決勝トーナメントを突破。そこにも今はチームに在籍していないリカルド・ロドリゲス前監督をはじめ、江坂任、キャスパー・ユンカー、松尾佑介らの活躍があった。

 何シーズンもまたいでバトンを繋ぎ、まさにチーム一丸で手にしたタイトルとなった。
 
 エースの興梠慎三は試合後、自身は札幌に期限付き移籍し、昨季の予選は不参加だったなかで、率直な思いをこう伝えた。

「槙野が天皇杯でゴールして、ACL出場権を獲って、去年いた任やユンカーたちが予選で活躍して、決勝まで導いてくれた。その時の監督はリカで。個人的には色んな人の気持ちを背負っての決勝でした。(同じく決勝を戦った2017年、19年大会とは)背負うものがちょっと違かったのかなという気はします」

 中盤で抜群の存在感を放った伊藤敦樹も感謝を口に。ユース出身の生え抜きホープはさらに、背番号3の先達からの激励も明かした。

「天皇杯から戦っている大会ですので、宇賀さんだったり、槙野君だったり。去年だったら任さん、ユンカー、佑介君、リカルドもそうですし。多くの今いない選手が関わっている大会だったので、本当にこのタイトルの重みは素晴らしいものだと思います。

 自分は天皇杯が終わったあとから宇賀さんの3番を背負っています。今日の試合前も宇賀さんから『浦和レッズのユニホームを着て、このピッチに立てるのは、世界中で数十人しかいない。幸せと責任を感じながら楽しんでプレーしてくれ』と連絡をもらって、その思いを胸に試合をできました。本当に色んな人の思いが詰まったタイトルなので、最高のタイトルになりました」

【PHOTO】三度目のアジア制覇へ!ACLを戦う浦和レッズ、決勝までの道のりを厳選ショットで特集!

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