4年ぶりの“リャンダンス”! 今季初出場の仙台10番・梁勇基、ユアスタのピッチで託された役割を全う

2023年04月30日 小林健志

「みなさんが横に揺れて、気合いが入った」

今季初出場の梁(10番)。円熟のプレーで大分戦の勝利に貢献した。(C)J.LEAGUE

[J2第12節]仙台1-0大分/4月29日/ユアテックスタジアム仙台

 ユアテックスタジアム仙台名物の、あの応援が帰って来た。

 仙台MF梁勇基の応援時、隣り合ったサポーターが肩を組みながら「リャーンヨーンギー、ゲットゴール、リャーンヨーンギー」と左右に動きながら歌うリャンダンス。コロナ禍の2020年、21年は鳥栖に在籍し、昨季に仙台へ復帰を果たすも、肩を組んでのリャンダンスは許可されていなかった。声出し応援が本格解禁となった今季、ようやくできるようになったが、梁は開幕からの11試合でベンチ入りが無かった。

 しかし、4月29日の12節・大分戦で今季初のベンチ入り。試合前のアップ、そして68分に今季初出場を果たすと、大声援とともに仙台サポーターはリャンダンスを繰り広げた。

「すごく嬉しかったですね。アップの時からサポーターのみなさんが横に揺れていただいて、自分自身も気合いが入りましたし、結果が出たので良かったと思います」と、1-0で勝利したこともあって、笑顔でその光景を振り返った。

 ここまで出場機会が無かった梁を、なぜここで伊藤彰監督は起用したのだろうか。

「中盤でしっかりゲームコントロールしてもらいたいというところで入れました。左サイドで守備とアタックのバランスを取ること、タイミング良く前に絡んでいくことが一番できると思っていました」
 
 チームは前節の藤枝戦で一度は逆転した後、2失点し逆転負けを喫した。大分戦では1-0の状況が続くなか、伊藤監督はチームのバランスを取る役割を梁に託した。

「リードしている状況だったので、しっかり守備をやることと、周りに声をかけながらしっかり勝点3を取ることを意識しました」と、今年で41歳となった梁は自分の役割を十分に分かっていた。そしてこうも語った。

「今季初めてのピッチだったので、サッカーを楽しみたいなという思いも持って(ピッチに)立ちました」

 一人のサッカー選手として、心底ユアスタでのプレーを楽しもうとした梁。楽しめたかという問いには「楽しかったですし、チームの勝ちにつながったので、そこが一番良かったと思います」と、プレーを楽しんだうえで、攻守のバランスを取る役割も全うし、勝点3という結果に大きく貢献した。

【動画】相良竜之介が決勝点! 仙台対大分ハイライト

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