浦和が3度目のアジア制覇を懸けて宿敵の“あいつら”に挑む!キーマン、勝負のポイントは?【ACL決勝プレビュー】

2023年04月28日 河治良幸

2007年と2017年に優勝

3度目のアジア制覇に挑む浦和。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝に臨む。今大会は昨年末にカタール・ワールドカップがあったこと、次回から秋春制になること、西側の日程的な事情など、いくつかの要因が重なる形で順延され、4月29日にリヤド(サウジアラビア)のキングファハド国際スタジアムで第1レグが、5月6日に埼玉スタジアムで第2レグが行なわれることとなった。

 アジアクラブ選手権の時代に古河電工、読売クラブ、ジュビロ磐田がアジアを制した経験はあるが、2002年にACLがスタートしてから優勝を果たしたJリーグのクラブは浦和(2007、2017)、ガンバ大阪(2008)、鹿島アントラーズ(2018)の3つしかない。その中でも唯一、二度のアジア制覇を成し遂げたのが浦和で、対戦相手のアル・ヒラルも2019年と前回の2021年に優勝しており、ACL初となる三度目の優勝をかけたファイナルとなるのも1つの注目点だ。

 2007年は浦和が前年に悲願のJ1リーグ制覇を果たして、日本のチャンピオンとしてACLに参加した。ギド・ブッフバルトから引き継いだホルガー・オジェック監督の下、シドニーFC(オーストラリア)などが居並ぶグループを首位通過、決勝トーナメントでは全北現代(韓国)、城南一和(韓国)、決勝ではセパハン(イラン)を破って初優勝を果たした。ワシントン、ロブソン・ポンテという強力な外国人アタッカーを揃えた一方で、田中マルクス闘莉王や長谷部誠、阿部勇樹といった、のちの日本代表を支える選手たちを大きく成長させた大会でもあった。
 
 2017年は浦和の翌年にガンバ大阪がアジアを制して以降、Jリーグ勢として9年ぶりとなる優勝を果たした。ただ、このシーズンは浦和にとって激動であり、6年目だったミハイロ・ペトロヴィッチ監督がJリーグでの成績不振により、7月30日に解任された。

 準々決勝からは堀孝史監督が指揮をとり、Jリーグ対決となった川崎フロンターレ戦を合計5ー4で制すると、グループリーグで同居した上海上港(中国)に粘り強く戦い、合計2ー1と勝利。そして決勝はアル・ヒラル(サウジアラビア)との"死闘"を乗り越えて、合計2ー1で二度目のアジア制覇を成し遂げた。

 この大会で浦和が証明しているのはホーム埼玉スタジアムでの圧倒的なまでの強さで、とりわけ決勝で2ゴールをあげたラファエル・シルバの活躍も目立った2017年は、ホームでの強さが際立っていた。熱狂的なサポーターの応援はJリーグのホームゲームでも後押ししているが、国際舞台のACLでは応援のボルテージも違うし、相手にとって大きな圧になっているはず。その意味で、準々決勝、準決勝、決勝と全て浦和がセカンドレグのホームだったのは幸運でもあった。

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