武器は“頭のハードワーク”。U-20W杯を目ざす法政大MF松村晃助は、世界で戦うために必要なピースだ

2023年04月22日 安藤隆人

首を振り、スペースを埋め、起点になる

“考えること”を重視する松村。周りを活かしつつ、自らも見せ場を作り出せる選手だ。写真:安藤隆人

 法政大のルーキーMF松村晃助は今、頭をフル回転させながら、それぞれの環境に適応しようとしている。

 横浜F・マリノスユースから法政大に進むと、関東大学リーグ1部の開幕戦でいきなりスタメンを飾るなど、新たなステージで好発進を切った松村は、今年3月のU-20アジアカップにも追加招集され、グループステージの2試合に途中出場した。

 着実に経験を積み重ねている松村は、5月にアルゼンチンで開催されることが決まったU-20ワールドカップの最終メンバーに入ることをターゲットに置いている。

 4月17、18日の2日間に行なわれたU-20日本代表合宿において、松村は本来のトップ下、ボランチのセントラルなポジション以外にも、3-4-3の右ウイングバックに入って、堅実なプレーに加えて自らの持ち味をしっかりと発揮した。

 関東大学選抜との一戦。右ウイングバックの松村は横にスライドして、積極的に中央のポジションを取り、そこで首を振りながらスペースを埋めたり、ボールをレシーブしてポイントを作り出した。

 さらにそこから斜め前に飛び出し、右アタッカーの山本桜大のサポートに入ったり、時には追い越してシュートエリアに潜り込んだりと、その動きは実に多彩だった。
 
 後半に入ると、一度はベンチに下がったが、途中でボランチとして再起用。今度はボランチの位置からサイドをカバーしたり、サイドにサポートに行くと見せかけて中央に止まり、ディフェンスラインやサイドからのパスを引き出し、逆サイドや縦につけるパスを見せたりするなど、ボランチとして周りの選手を巧みにつないでいた。

 この試合、U-20代表が3-0で完勝をするなか、松村は右ウイングバック、ボランチにおいてリンクマンとして機能し続けた。

「効果的なプレーをすることが自分の持ち味だと思っています。ウイングバックでもボランチでもスペースを作ったり、他の選手と関わりを持ったりして、左サイドから右サイドまでのつながりを出せるポジショニングを意識しました」

 スタートポジションこそ異なれども、どの場所でも役割を認識すること。だからこそ、周りの選手の特徴を把握して、それぞれの力をつなぎ合わせたり、ピッチ全体のバランスを考えながらプレーしたりすることができる。
 

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