武藤、決定機を決められず……詰めの甘いマインツは勝点1止まり――マインツ 0-0 シュツットガルト

2015年12月12日 遠藤孝輔

両チームが今シーズン抱える問題点が改めて浮き彫りになった。

 現地時間12月11日に行なわれたブンデスリーガ第16節、マインツ対シュツットガルトは互いにゴール前での決定力を欠き、スコアレスドローに終わった。
 
 まずまずの滑り出しを見せたのは、ホームのマインツ。2分には左サイドを崩してからブロジンスキのフィニッシュに結びつけ、3分には武藤のフォアチェックが相手GKのパスミスを誘発し、ラッツァが惜しいシュートを放った。
 
 しかし、その後はシュツットガルトの"術中"にハマる。ボールを支配する時間は長いものの、アタッキングサードのスペースを消され、ボランチから局面を前へと進められない。ポゼッションでの揺さぶりに難を抱えるチームの弱点を突かれたのだ。
 
 頼みの武藤とマッリは、2CBとプレスバックするMFの徹底マークに苦しんだ。
 
 前半はリスクを冒さずに、守備を徹底するアウェーチームの定石を踏んだシュツットガルトのペースで進む。攻撃に転じれば、FWヴェルナーのスピードを活かした速攻を活用した。26分にはマキシムが決定機を迎え、37分にはルップのシュートがポストを直撃した。
 
 遅攻がスムーズにいかないマインツに対し、シュツットガルトもチャンスを作りながら決めきれない――。両軍がそれぞれ抱える今シーズンの問題点が、改めて浮き彫りになった格好だ。
 
 リズムが悪いながらも無失点で切り抜けたマインツは後半、ショートパスによる組み立てを減らし、ロングボールを効果的に使いはじめる。53分、CBブンガートのフィードが、DFラインの裏をとった武藤に繋がりかけた。
 
 その武藤は57分、シーズン8得点目を挙げる大きなチャンスを迎える。
 
 ホットラインを築く相棒マッリのパスをエリア内で受け、ワントラップで相手をかわしてからシュート。しかし、その渾身の一発は精度が伴わず、バランスを崩しながらも右腕を伸ばしていたGKティトンに防がれた。
 
 その後もマインツの攻勢は続く。70分には武藤が再び素晴らしい飛び出しを披露。ただ、これは微妙なオフサイド判定に泣かされた。
 
 シュツットガルト守備陣の武藤への警戒が強まるなか、78分、右ウイングのデ・ブラシスに絶好機が到来。だが、ゴール前でフリーとなった小兵ウインガーが至近距離から放った右足ボレーは、またしてもGKティトンに弾き出された。
 
 ゴールが欲しいマインツは81分にCFコルドバ、85分にウインガーのクレメンスを投入。攻撃のカードを立て続けに切るも、最後までティトンの牙城を崩せなかった。
 
 前半こそ苦しんだとはいえ、この試合できっちり勝利すれば、暫定ながら4位まで浮上できたマインツ。やや悔やまれるドローとなった。
 
文:遠藤孝輔
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