弱冠19歳・土屋巧の挑戦は始まったばかり。柏レジェンドにならい不慣れなSBにも意欲。戦う姿勢を貫き、今季初勝利に貢献

2023年04月10日 鈴木潤

本来はボランチだがDFで出場機会

鹿島戦では右SBで奮闘した土屋。「自分の自信になりました」。写真:鈴木颯太朗

[J1第7節]柏1-0鹿島/4月9日/三協フロンテア柏スタジアム

 試合終了のホイッスルが鳴った瞬間、土屋巧は仰向けになってピッチに倒れ込み、ようやく掴み取った今季初勝利に両拳を握りしめた。直後には足が攣り、立田悠悟に右足を伸ばしてもらった。それだけハードに戦い、全力を出して戦い抜いたのだ。
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 土屋は本来ボランチの選手である。ただ、最終ラインの選手層が薄いというチーム事情と、開幕から勝てていない経緯も手伝って、5節の広島戦から3バックのセンターでの出場機会が巡ってきた。

 土屋にポジションを奪われる形になった立田は「ツッチー(土屋)は練習からしっかり取り組んでいるし、そういう選手は応援したくなる。自分も負けないぞという気持ちになった」と土屋から良い刺激をもらったことを打ち明けていた。
 
 土屋のそれまでの努力が実った出場のチャンスであり、サブやメンバー外だった土屋にとっては、自分の立ち位置を変える大きなチャンスが訪れた。土屋も、それをよく理解していた。

「プロサッカー選手として生き残るのに、ここが自分の分岐点だと思っています。転がってきたチャンスを掴むか、掴まないかで変わると思うので、しっかりこのチャンスをモノにしたい」

 だが結果がついてこない。土屋がクリアしようと必死に伸ばした足にボールが当たり、コースが変わってゴールへ吸い込まれる、あるいは相手選手の目の前にこぼれ、それが失点へと繋がってしまう。

 全力でプレーをしても報われない状況に、メンタル的には相当厳しい日々を送っていたことだろう。

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