「すごく嫌だった」決勝アシストのスパルタ斉藤光毅、AZ菅原由勢との激しいマッチアップに本音。指揮官は記者に異例の懇願「コウキに来季も残るよう説得して欲しい」 【現地発】

2023年04月09日 中田徹

「わざとじゃない。申し訳ないです」

激しい攻防戦を繰り広げた斉藤(手前)と菅原(奥)。(C) Getty Images

 4月8日に行われたAZ対スパルタで、菅原由勢(AZ)と斉藤光毅(スパルタ)がマッチアップ。90分間に渡って激しい攻防を繰り広げた。

 オランダリーグのトップ4の一角であるAZは、6位のスパルタに対して立ち上がりから主導権を握り、右SBの菅原はサイドを攻略するのはもちろん、インサイドハーフにポジションを取って機能するなど、斉藤を後手に回らせた。
 
 しかし、前半アディショナルタイムに斉藤が輝く。45分、スパルタのGKニック・オライが前線にロングフィードを蹴ると、菅原がMFアルノ・フェルスフーレンに空中戦を挑むも競り負ける。菅原のマークから開放された斉藤がカットインのフェイクを入れると、AZのCBサム・ブーケマの体勢が完全に崩れ、斉藤はノープレッシャーでゴールライン際まで侵入。そこから正確な左足のクロスを入れて、CFトビアス・ラウリッツェンのヘディングゴールをアシストした。

「ファーサイドには長身ストライカー(ラウリッェン。195センチ)がいるので、練習から自分が1対1で仕掛けて抜いてから、ファーにフワリとしたクロスを上げることになってます。(この攻撃パターンは)常に選択肢の一つです。それにしてもめちゃくちゃ高く飛んでましたね。そこは彼に感謝してます。彼のヘディングは強いですし、スパルタの良いところがいっぱい詰まったゴールでした」(斉藤)

【動画】キレキレの突破から正確なクロス!斉藤光毅の絶妙アシスト
 菅原によると、フェルスフーレンにアプローチする直前、斉藤に足を踏まれてしまって、左足のスパイクが脱げてしまったのだという。その一瞬が命取りとなって、菅原はフェルスフーレンに付ききれなかった。

「たまたま踏んじゃってました。脱げたんですか? それは知りませんでした。わざとじゃない。申し訳ないです」(斉藤)

 後半に入ると、菅原と斉藤のマッチアップが激しさを増す。53分、右ウイング、イェンス・オデゴーのスルーパスから菅原がペナルティエリア内に侵入すると、背後から斉藤がスライディングしてピンチを防ぐ。アウェー応援席の目の前での好守ということもあって、スパルタサポーターから「コウキ、コウキ、サイトウ・コウキ!」のチャントが夜空に響いた。

 77分、ラウリッェンの楔からの落としに対し、斉藤は中に絞ってパスを受け左に展開。そこから左SBミカ・ピントとのコンビネーションでAZの右サイドを揺さぶる。スパルタがボールをロストした後、斉藤は即時奪回からAZゴールに向かいシュートを放つもGKマシュー・ライアンにストップされた。

「あれはスパルタとしても得意な形。左サイドの深い位置でああやって掻き回すのはチームとしてもやっていきたいし、自分が中心になってやっていきたい。あそこで決め切りたかったですね。角度のなく、最後はめちゃくちゃキツくって、正直、投げやりのシュートになってしまいました(苦笑)。マイナスとかめちゃ空いていたと思います。そこは冷静になってやらないといけないかなと思います」(斉藤)
 

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