「自分的に課題かな」大躍進フライブルクで躍動する堂安律、相手の“対策”の中で求められる新たな役割。「もう1回ゴール前に入っていく強度を…」【現地発】

2023年04月08日 中野吉之伴

「10番のポジションで張っていれば入ってくる」

フライブルクの右サイドで異彩を放つ堂安。(C)Getty Images

 日本代表MF堂安律が所属するフライブルクはブンデスリーガ26節終了時点で4位につけている。クラブ史上最高の戦績で、ヨーロッパリーグはおろかチャンピオンズリーグ出場権さえも手が届く位置にいる状況に、クラブ関係者も選手もファンも、夢が膨らんでいる。

 そんなフライブルクだが、ここ数試合問題視されているのが、流れの中からの得点が少ないという点だ。前半戦のフライブルクは小刻みなパスワークと相手選手の裏を突くフリーランの連続、そこに堂安のドリブルやビンツェンツォ・グリフォのスルーパスなどが絡まり合うことで、意図的にチャンスを作り出すことができていた。

 ただ、さすがに相手も対策を練ってくる。不用意なプレスを仕掛けることなく、辛抱強く自陣で守備を固めるチームが増えているのだ。

【動画】「ナイスアシスト!」「うっま」など反響!アウクスブルク戦で輝きを放った堂安律のプレーをチェック
 フライブルクを率いるクリスティアン・シュトライヒ監督はそうした傾向について次のように話していた。

「多くのチームが3-5-2システムを採用するようになってきている。これはウニオン・ベルリンが例にされている。彼らはセンセーショナルに素晴らしい。戦術的に非常に規律だった守備をしており、スペースを見つけるのは極めて困難だ。ドルトムント、バイエルンほど個々のクオリティがあるチームなら可能かもしれないが、いずれにしてもシュートチャンスを作り出すのは難しい」

そうした状況下で、シュトライヒは解決策を見出そうとしている。守備固めをしている相手を揺さぶるためのバリエーションとそれを使う局面とタイミングを整理させているのを感じさせる。特にチャンスメークにおいて堂安とグリフォが担う役割は多い。

前節のへルタ・ベルリン戦(1-1)でも特に堂安はサイドに張るだけではなく、相手守備ラインの裏に斜めに走りこんでロビングボールを引き出したり、相手4バックの前にあるスペースにタイミングよく顔を出してCBからの縦パスを引き出して、プレスに来る相手をいなしたり、うまく剥がして起点を作り出していた。そこからサイドへ展開されたところからチャンスが生まれるなど、堂安の幅広いプレーはとても効いていた。

「どちらかというと今日は(チャンス)作りの方で、(相手を)剥がして決定機を作ってあげる方が多かった。CBからの縦パスはかなり入っていたし、特に下位相手だとなかなかボールを取りに来ずに引く傾向がある。ファーストプレーからなかなか(奪いに)来ないなと思ったので、10番のポジションで張っていれば(ボールが)入ってくるなって感じてました」(堂安)

次ページ指揮官は「多くを求めすぎてはいけない」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事