長谷部誠&川島永嗣が、ロッカールームで若き代表戦士にかけた言葉。細谷真大は「一日一日を大事に取り組んでいきたい」

2023年03月25日 松尾祐希

「若いうちにもがきながら、やるべき」

U-22代表はドイツと対戦し、2-2のドロー。勝ち切れなかったが、貴重な経験を積んだ。(C)Getty Images

[国際親善試合]U-22日本 2-2 U-22ドイツ/3月24日/PSDバンク・アレーナ

 2024年のパリ五輪を目ざすU-22日本代表は、欧州遠征でU-22ドイツ代表と対戦。先制される展開も、佐藤恵允のゴールで追いつき、細谷真大が逆転弾。だが、その後に失点し、2-2のドローで終わった。

 大観衆が詰めかけた一戦で、引き分けた点はポジティブに映る。しかし、スコア以上に差を感じさせられるゲームだったのは間違いない。そうした一戦を終え、大岩剛監督は「チャレンジする姿勢は見えた」と振り返りつつも、「トップレベルになると、あれぐらいの圧力は普通」と話した。

 異国の地でしか味わえないハイレベルな戦い。選手たちの経験値は高まったが、試合後にその体験をさらに増幅させる出来事があった。長谷部誠(フランクフルト)と川島永嗣(ストラスブール)が会場に訪れていたからだ。

 歴戦の日本サッカー界のレジェンドたちは試合後にロッカールームを訪れ、選手たちに言葉をかけたという。その出来事について、指揮官はこう明かす。

「率直に言って、彼ら(今季はクラブで試合に出られていない選手たち)は苦しんでいると思います。別にひいき目で見るわけじゃなくて、彼らが試合に出られていないのは本意ではないし、コンディションも悪い。それは致し方がないことなので。ただ、試合に出場している選手はすごく良い。そういうところは選手たちも多分、痛感している。最後に川島永嗣とマコ(長谷部誠)が良いことを言ってくれたんで、響いたんじゃないですか」
 
 特にパリ五輪世代の選手たちは今季、苦しんでいる。出場機会を失った選手も多く、海外組もそれぞれの場所で試行錯誤しながら戦っている。そうした現状を見て、長谷部と川島は「若いうちにしっかりともがきながら、やるべきだよ。一日一日を大切にするべきだよ」という話を選手たちにしたという。

 その言葉は選手たちに刻まれている。細谷真大は言う。

「(長谷部と川島は)世界で戦ってきた先輩たち。本当にもっと上が海外にいると思うので、自分たちも一日一日を大事にしながら取り組んでいきたい」

 もちろん、その言葉を聞くだけでは意味がない。行動に移したとしても継続できなければ、元の木阿弥だ。ドイツに2-2で引き分けたが、内容は相手のほうが一枚も二枚も上手だった。先輩たちの言葉を受け、選手たちがどう変わっていくのか注目したい。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)

【動画】佐藤恵允が同点弾、細谷真大が逆転弾! U-22代表のドイツ戦ハイライト

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