正直、ワクワクしなかった新生・森保ジャパン。三笘薫のドリブル以外で観衆を沸かせたシーンが何度あったか

2023年03月25日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

堂安は「押し込んで、僕らのクオリティが出せれば…」

三笘(左端)は何度か長い距離を持ち運ぶドリブルでファンを沸かせたが…。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[キリンチャレンジカップ]日本 1-1 ウルグアイ/3月24日/国立競技場

 だいぶ古い話になるが、2002年10月16日、ジーコ新監督率いる日本代表がジャマイカ代表と初陣に臨んだ。

 中盤には小野伸二、稲本潤一、中田英寿、中村俊輔の4人が初めて同時起用され、この"黄金のカルテット"に人々の胸は高まった。実際、7分に中田も絡んだ攻撃から小野が左足で先制弾。旧・国立競技場に詰めかけたファンはその流れるような攻撃に酔いしれた。そこには、個の能力を全面に出したジーコジャパンへのワクワク感が、たしかにあった。

 それから約20年半――。生まれ変わった国立競技場で、第二次森保ジャパンが初陣を迎えた。38分に先制される展開となり、75分に西村拓真が同点ゴールを奪ってドロー決着となった。

 試合前のスタメン発表で、最も観衆が沸いたのは、ブライトンで躍動する三笘薫の名前が呼ばれた時だった。その25歳は何度か長い距離を得意のドリブルで持ち運び、会場をどよめかせた。ただ、それ以外は日本代表が高揚感を与えるようなプレーを見せたのは数えるほどだった。
 
 決して強度が高い試合ではなかったにもかかわらず、攻撃が停滞し、流動性もない。ビルドアップさえままならなかった。

 右サイドハーフで先発した堂安律は「押し込んで、僕らのクオリティが出せれば、ワクワクさせるようなサッカーができるけど、今日はビルドアップの位置も低かったし、押し込むまでが課題という話を(試合後に)した」と明かした。

 もちろん、フレッシュな選手も入った第二次政権は始動したばかりで、連係面がこれからだ。ただ、監督交代をしなかったのも一因ではあるが、あまりにワクワク感が感じられなかったのも事実だ。

 前述した2002年のジャマイカ戦も、結果は1-1のドローだった。ただ、抱かせた期待感は、この日のウルグアイ戦とは小さくない差があった。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部)

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