「僕は年1でいいです」「印象に残るので」SB松原健、今季は5節で“ゴラッソ納め”? 横浜加入から6年連続1ゴール

2023年03月19日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「しっかり今年も年1出せて良かったです」

5節にして初ゴールを奪った松原。今季は第2号が生まれるのか?(C)SOCCER DIGEST

[J1第5節]横浜F・マリノス2-1鹿島アントラーズ/3月18日/日産スタジアム

 あいにくの雨。気温はぐっと下がり、冬に逆戻りしたのかと思うほどの寒さだった。ならばと、選手たちにホットなプレーを期待するも、前半は特に目立ったシーンは見られず、0-0で終了する。

 それでも後半開始間もない56分、スタジアムは熱狂の渦に包み込まれる。左サイドのエウベルのパスが逆サイドに流れると、後方から走り込んできた松原健が右足を豪快に振り抜き、ジャストミート。強烈な低弾道シュートを突き刺し、ホームの横浜が膠着状態にケリをつけたのだ。62分に相手のオウンゴールでリードを広げた後、鹿島の反撃を1点に抑えて、昨季王者が接戦を制した。

 松原の目の覚めるようなゴラッソが生まれた瞬間、気付けば私は記者席から立ち上がっていた。

 だが、誰よりも興奮していたのは、ゴールを決めた松原本人だ。手を突き上げ、一直線にサポーターの元へ駆け寄った。試合後のヒーローインタビューで「年に1回のシュートがここで出た」と表現した殊勲の右SBは、報道陣の前で改めてこの場面を振り返った。

「左サイドにボールがあって、相手も味方も人数が集まっていて。ああいった場合は特に逆サイドが空きやすいので、そういったところを狙って入っていこうと思っていました。あんなに良いシュートが決まるとは自分自身あんまり思っていなかったんですけど……。しっかり今年も年1出せて良かったです」
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 年に1回。確かにその言葉通り、アルビレックス新潟から横浜に加入した2017年から、リーグ戦でのゴール数は6年連続で「1」。ただ、この勢いなら今季は年2、3の必殺キャンノン砲が見られそうにも思えるが、松原は譲らない。

「年に1回決めるから、みんなの印象に残るので、僕は年に1回でいいです」

 映像を見返してみると、ボールがネットを揺らす前に手を突き上げ、得点を確信していることが分かる。「打った時の感触やボールの軌道がもうゴールに一直線だったので、そこは確信を持って。ゴールネットが揺れる前にガッツポーズしちゃいました」と明かした松原は、その後の行動はこう説明した。

「いつもはどっちかというと、自分が意図していないシュートでゴールが決まることが多いので、その場でびっくりして手を上げちゃうんですけど。今回は走り込んで来る流れだったので、そのままサポーターのところに行く形になりました。前々からみんなゴールを取ったあと、サポーターのところに走っていくのが、すごいかっこいいなと憧れていたので、今日はそれができて良かったです」

 取材対応の最後、松原はまたも「僕は年に1回でいいです」と一言。報道陣をどっと笑わせた。日本代表経験もある30歳のどこまでも謙虚な姿勢に、私の胸は再び熱くなった。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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