「コイツは只者じゃない」。長友佑都を唸らせたルーキーが横浜FC戦で躍動。「松木玖生を超えられるように」 【FC東京】

2023年03月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ドリブルが通用するのは自信になる」

センス溢れるドリブルを披露。左ウイングの俵積田は積極果敢な仕掛けでスタジアムを沸かせた。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 FC東京が横浜FCを3-1で下した試合後、長友がある若手についてこう話した。

「キャンプでアイツと1対1をやったら、1回、抜かれたんですよ。その時に、コイツは只者じゃないなと。その1プレーで三笘選手のように活躍できるかもしれないと思ったりして、そこから彼にアドバイスするようになって。今日は躍動していましたよね」

 その彼こそ、横浜FC戦で高卒ルーキーながらスタメンを張った俵積田だ。FC東京U-18出身で、この日4−3−3システムの左ウイングを任された18歳のアタッカーは、立ち上がりから得意のドリブルで果敢に仕掛けると、守備面でも前線からのプレスで貢献。後半はいくつか決定機を外し、ファン・サポーターのため息を誘ったが、それでも切れ味鋭いドリブルがJ1の舞台でも十分に通用することをこの試合で改めて証明した。

 実際、本人も「ドリブルが通用するシーンが多くあって、それは自信になります」とコメント。「決定力は課題。シュートまでのイメージはできていますが、技術が足りない」と反省しつつも、持ち味は発揮できた自負はあったようだ。

「相手云々ではなく、自分のプレーを出さないとチームで生き残れない。今は(ドリブルも)自分の感覚でやっている部分が多くて、『行ける』と思ったら迷わず仕掛けているし、『行けない』と感じたらストップしますが、ここまではその感覚が良い方向に出ています」
 

 ドリブルとパスの使い分けは意識しつつ、突破と決めたら感覚で抜きに行くと、そのようにも話していた俵積田が、大きな影響を受けているのがプロ2年目の松木だ。

「高卒ルーキーでも通用すれば試合に出られる、それを(松木)玖生くんが示してくれました。昨年、自分がユースからプロに昇格するかしないかという時に、玖生くんがトップチームで凄い活躍していて、そこを超えられるようにと決意したので、本当に良い刺激をもらっています」

 松木を手本に、プロ1年目から躍動する俵積田。公式戦でゴールを決めることができれば、それがさらに自信へと繋がるはずだ。同じポジションのライバルであるアダイウトンに昨季ほどのキレがない印象なので、この調子を維持できれば次節の名古屋戦でも先発に名を連ねる可能性は高い。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

【PHOTO】FC東京の出場16選手&監督の採点・寸評。MOMはエースに相応しい活躍をしたD・オリヴェイラ。長友はベテラン健在をアピール
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事