再び正しい方向に進むための一歩を踏み出したユナイテッド。英国人記者はベティス戦で見せた指揮官の采配とスタジアムの一体感を称賛【現地発】

2023年03月11日 スティーブ・マッケンジー

直近のリーグ戦でリバプールに0-7で惨敗

ELでベティスに4-1で快勝したマンU。(C)SOCCER DIGEST

 ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド16第1レグで、マンチェスター・ユナイテッドはベティスと対戦した。
【動画】マンUが4-1で快勝を飾ったベティス戦ハイライト

 ユナイテッドにとっては、先日行なわれたプレミアリーグのリバプール戦で0-7の大敗を喫して以来の試合となる。

 雪がちらつく非常に寒いコンディションの中で行なわれた一戦は、ベティスファン以外の誰もがユナイテッドに目を向けていたはずだ。リバプール戦の屈辱的な敗北から、どのように立ち直るかに注目が集まった。

 衝撃の大敗となったリバプール戦では後半に大量6失点。選手たちは後半に諦めてしまっていたと批判を浴びた。

 しかし、エリク・テン・ハーフ監督は、ベティス戦にリバプール戦と同じ11人をスタメンに起用。選手たちに名誉挽回のチャンスを与えたのだ。指揮官がまだ選手たちを信頼していることを示しており、これが功を奏した。
 
 試合は開始早々の6分にマーカス・ラッシュフォードのゴールで幸先よく先制に成功。しかし、32分にベティスに同点弾を許した。ここで、ユナイテッドの選手たちがどうリアクションするかが試されていた。

 嫌なムードを跳ね返すには、選手の力だけでなくファンの後押しも必要だが、ユナイテッドファンは彼らに声援を送り、サポートし続けていた。

 これを受けたユナイテッドは52分にアントニーの見事なシュートで突き放す。リードを奪い、スタジアムの熱気も高まっていくと、その6分後には、リバプール戦でのパフォーマンスや振る舞いで最も批判を受けたであろうブルーノ・フェルナンデスが3点目を奪った。すると、ユナイテッドファンは彼の名前を歌い始めた。

 結局、終わってみれば4-1の快勝。リバプール戦の恐怖の後、指揮官が見せた選手への揺るがぬ信頼と、スタジアムの一体感で勝利を掴んだユナイテッドにとって、再び正しい方向に進むための一歩になったと言えるだろう。

 今季はカラバオ・カップで6シーズンぶりのタイトルを獲得し、プレミアリーグ、FAカップ、ELと3つのコンペティションでも優勝の可能性を残している。あといくつトロフィーを増やせるのか注目しよう。

取材・文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

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