【2015総括】鹿島編|16年ぶりの監督途中交代で息を吹き返す。通算17冠王者は来季、節目の20冠を狙う

2015年11月27日 サッカーダイジェスト編集部

石井新監督の下で伝統の堅守速攻と勝負強さが復活。

今季開幕前に期限付き移籍で加入した金崎が、怪我人の続出した最前線を支える存在となった。完全移籍での加入も噂されるが、シーズンオフの動きに注目したい。(C) SOCCER DIGEST

 J1第2ステージは広島が優勝。年間勝点でも広島が浦和を抑えて頂点に立ちレギュラーシーズンは幕を閉じた。今季の34試合をJ1全18チームはいかに戦ったのか? 各クラブの担当記者が、11月22日で今季最終戦を迎えた2015シーズンを振り返り総括する。
 
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鹿島アントラーズ
年間成績:5位 勝点:59 18勝5分11敗 57得点・41失点
第1ステージ成績:8位 勝点:22 6勝4分7敗 27得点・25失点
第2ステージ成績:2位 勝点:37 12勝1分4敗 30得点・16失点
 
【2015シーズンの出来を点数で表わすと?】
75
 
 浮き沈みの激しいシーズンだった。第2次トニーニョ・セレーゾ政権3年目は前半戦からつまずいた。昨季3位でフィニッシュし、今季は優勝候補に挙げられたが、ACLも含めて公式戦5連敗スタート。新加入の金崎や日本代表の柴崎らタレントはいたが、決定機を活かせず同じ形から失点を重ねるなど、第1ステージは14年ぶりの負け越しとなる8位に終わった。
 
 第2ステージも上向かず、後に降格する清水と引き分け、松本にも敗れた。クラブ幹部は「選手の能力を100パーセント引き出せていない」と看過せず、7月にセレーゾ監督を電撃解任。クラブ史上16年ぶり2度目という決断で、石井正忠コーチを監督に昇格させた。この一手で名門は息を吹き返すことになる。
 
 現役時代、鹿島の初代主将だった石井監督は「変えるのではなく、元に戻す」と所信表明。システムを4-2-3-1から黄金期の4-4-2にし、前線からの守備でリズムを掴む。負傷防止のため、前体制では禁止されていた練習中のスライディングも解禁。球際での厳しさが生まれ、競り合いの局面でも勝てるようになり、就任後は11勝3敗と復調した。
 
 36歳の小笠原も健在で、ナビスコカップを3年ぶりに制覇。G大阪との決勝では、復権を示す攻守の圧倒ぶりだった。来季は海外移籍を狙う柴崎の去就などで大きく編成が変わる可能性がある。それでも、続投が確実な石井監督の下、今季終盤の状態を維持できれば躍進の期待は膨らむ。
 
【今季のチームMVPは?】
金崎夢生
 
 この男がいなければ、鹿島は下位に沈んでいたかもしれない。リーグ戦はチーム2位の9得点(1位はカイオの10得点)。ボールが収まり、ひとりで突破でき、決定力もある。獅子奮迅の活躍で負傷のジネイ、ダヴィが抜けた穴を埋めた。
 
構成:サッカーダイジェスト編集部
 
 
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