“ぶっつけ本番”のU-20アジア杯。初戦の相手は中国。カギはいかに敵のコンパクトな守備を広げられるか

2023年03月03日 松尾祐希

地元クラブとの練習試合は5発完勝

U-20W杯出場をかけた戦いに臨む冨樫ジャパン。指揮官は「一歩ずつ」と一戦必勝を強調する。写真:松尾祐希

 今年5月20日に幕を開けるU-20ワールドカップ。日本代表で活躍する多くの選手が、この大会をきっかけに飛躍を遂げてきた。古くは中田英寿、中村俊輔、小野伸二。近年では堂安律、冨安健洋、久保建英が大舞台を経験してステップアップしたのは記憶に新しい。

 東京Vで指揮官を務めてきた冨樫剛一監督が率いるU-20日本代表にとって、U-20W杯の出場は最低限の目標。だからこそ、3月3日に初戦を迎えるU-20アジアカップは負けられない戦いとなる。

 アジアに与えられた出場枠は4つ(本大会の開催国インドネシアがベスト4以上に勝ち進んだ場合は5位が本戦に出場)。U-20W杯の最終予選を兼ねる今大会は、ひとまず準決勝進出を目ざす形になる。日本は2月20日に集合し、21日の夜に日本を経って22日の昼過ぎに開催国ウズベキスタンのタシケントに到着。そこから初戦となる3日の中国戦に向け、本格的に準備をスタートさせた。

 特に今回はぶっつけ本番で開幕を迎えている状態。昨年は最低でも2か月に1回は遠征や合宿を実施していたが、今回はJリーグの日程と重なっていた点などを考慮し、昨年11月のスペイン遠征以降は一度も活動できていなかった。

 他では長期間のキャンプを張ってからウズベキスタンの地に乗り込んできたチームもあり、日本にとって大会前の準備期間は1秒たりとも無駄にできない。
 
 だが、「本当に大変」と冨樫監督が振り返った通り、練習施設の芝は所々禿げている状態。アウェーの洗礼を受け、慎重にボールを扱わないといけないようなグラウンドで連係面の確認は思うように進まなかった。

 それでも、26日に行なわれたFCパフタコールU-21とのトレーニングマッチは5-2で勝利している。FW北野颯太(C大阪)が2ゴールを奪うなど、各選手が好調をアピール。今大会でキャプテンを務めるMF松木玖生(FC東京)も「前線のメンバーの連係で上手く点数を決められた。自信を持って大会に臨めるなという試合だったと思う」と手応えを明かし、大会に向けて順調に歩みを進めているのがうかがえた。

 そうした状況下で迎える今大会。グループステージでは3日の初戦で中国、6日の2戦目でキルギス、9日の最終戦でサウジアラビアと対戦する。冨樫監督も警戒を強めており、2日に行なわれた公式会見でも気を引き締めるようなコメントを残した。

「3チームともに情報をいろいろ収集してきた。ただ、彼らは事前にキャンプをしてきたと聞いているので、グループとしての結束は私たちよりもあるかもしれない。前回優勝のサウジアラビアも一緒という点も含め、気が抜けないグループだと感じている」
 

次ページチームのピークをどこに持っていくかも重要だが…

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