ユアスタでの殊勲弾に感慨。3年ぶり仙台復帰の山田寛人は“ゴール前での迫力”を武器に「15得点以上」へ邁進

2023年02月27日 小林健志

「ペナルティエリアに入れたのが一番大きかった」

栃木戦で値千金の決勝点を決めた山田。逞しく成長した姿をユアスタで披露した。(C)J.LEAGUE

[J2第2節]仙台1-0栃木/2月26日/ユアスタ

 2試合連続ドローと思われた試合を勝利に導いたのは、3年ぶりに復帰したストライカーだった。

 敵地での町田との開幕戦は0-0で引き分けた仙台は、2節で栃木とホームで対戦。スコアレスで迎えた90分、中盤で縦パスを受けた途中出場の山田寛人が、中山仁斗にパス。左サイドに開いた中山が「中にやっさん(遠藤康)と寛人がいたので、何か起これば」とクロスを入れる。

 このボールを遠藤が相手DFの間でワンタッチではたいて、中盤からペナルティエリアに潜り込んでいた山田が右足でゴールに押し込んだ。「間で上手くボールを受けられて、そこに仁斗君がサポートに来てくれるので、ひとつ助かった分がありましたし。その後、ペナルティエリアに入れたのが一番大きかったと思います」とゴールを振り返った山田は、自らの得点が決勝点となり、チームに今季初勝利をもたらした。

「開幕戦で勝てなかったので、今日はどうしても勝ちたかったですし、個人的には前に仙台にいた時(3年前)はホームで勝てなかったので、すごく嬉しいです」

 2020年、セレッソ大阪から仙台に期限付き移籍で在籍した時は、1シーズンでホーム未勝利という苦境を味わった。それだけに、自らのゴールでホーム戦勝利をたぐり寄せたことへの思いは格別だった。
 
「3年前に仙台を離れる時は、後悔しか残りませんでした。何も結果を残せず、チームのためにもならず、(サポーターに)挨拶もなく離れてしまいました。このチームのために結果を残すという思いで(仙台に)来たので、良いスタートが切れて良かったです」と、3年前の悔しい思いを経て、2度目の仙台移籍で早めに結果を出せたことを喜んでいた。

 仙台を離れてC大阪に復帰してからの2年間、昨季のルヴァンカップ準々決勝第2戦・川崎戦での終盤の劇的ゴールなど、大事なところで点を取れる選手へと成長した。

「今もですけど、3年前は今よりも未熟でした。セレッソに帰ってからプレーの幅が広がりましたし、ゴール前での迫力も少なからず増えた自信はあります」

 その言葉通り、ペナルティエリア内に上手くスペースを見つけて侵入し、シュートまで持ち込むことができる選手へと成長したことをサポーターの前で見せつけた。

【動画】終了間際の劇的決勝弾! 山田寛人が勝利の立役者に。試合後のインタビューでは「自分の得点で勝つことだけを意識」

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