マドリーで直面した2つの問題
マドリーでも不可欠な存在だったバルベルデ。(C)Getty Images
サッカーは一種の地理だ。複雑なシステムに基づいていくつものエリアが管理され、しばしば散漫で、一見すると区切られた空間の中で、選手たちは自分の居場所を見つける必要がある。標準的なピッチサイズは、105×68メートルだ。
その限られた大陸には数々の神秘が隠され、それを一つ一つ理解するには技術と知恵をフル稼働させることが不可欠だ。なおかつそこに優秀なガイドがいればさらに理想的だ。カルロ・アンチェロッティに導かれて、並外れたエネルギーで自らの領土を征服したフェデリコ・バルベルデはその好例だろう。
バルベルデにとってサッカー界で自らの居場所を見つけるのはさほど難しいことではなかった。ウルグアイの名門、ペニャロールのアカデミーで頭角を現すと、欧州のクラブの間で争奪戦が繰り広げられ、レアル・マドリーがその獲得レースを制した。当時バルベルデは17歳。しかしピッチ上で自らの居場所を見つける段階になると、とたんにハードルは上がり、それを乗り越えるまで7年間を要した。
バルベルデがマドリー加入後、直面した問題は主に2つある。その1つ目は、熾烈な定位置争いだ。前述した7年間はルカ・モドリッチ、カゼミーロ、トニ・クロースの伝説のトリオがマドリーの中盤に君臨した時期とほぼ一致する。彼らに挑むのは、エベレストの頂上を目指すようなものだった。
その限られた大陸には数々の神秘が隠され、それを一つ一つ理解するには技術と知恵をフル稼働させることが不可欠だ。なおかつそこに優秀なガイドがいればさらに理想的だ。カルロ・アンチェロッティに導かれて、並外れたエネルギーで自らの領土を征服したフェデリコ・バルベルデはその好例だろう。
バルベルデにとってサッカー界で自らの居場所を見つけるのはさほど難しいことではなかった。ウルグアイの名門、ペニャロールのアカデミーで頭角を現すと、欧州のクラブの間で争奪戦が繰り広げられ、レアル・マドリーがその獲得レースを制した。当時バルベルデは17歳。しかしピッチ上で自らの居場所を見つける段階になると、とたんにハードルは上がり、それを乗り越えるまで7年間を要した。
バルベルデがマドリー加入後、直面した問題は主に2つある。その1つ目は、熾烈な定位置争いだ。前述した7年間はルカ・モドリッチ、カゼミーロ、トニ・クロースの伝説のトリオがマドリーの中盤に君臨した時期とほぼ一致する。彼らに挑むのは、エベレストの頂上を目指すようなものだった。
バルベルデが直面した主な問題の2つ目は、自分に合った安全な居場所探しだ。本職のセントラルMFに加え、最初に所属したカスティージャ、1年間レンタルでプレーしたデポルティボ、そしてマドリーにおいてSB、CB、10番、偽9番、偽ウイングと様々なポジションでプレー。複数のポジションをこなせるユーティリティ性が、器用貧乏に陥る結果となり、決め手に欠ける選手というレッテルを貼られた。
21年夏、そんな未完の大器から脱皮できなかったバルベルデに転機が訪れる。カルロ・アンチェロッティとの出会いだ。イタリア人の智将は、バルベルデを見て、04-05シーズン、ミランの指揮官として臨んだチャンピオンズリーグ(CL)決勝において大逆転劇の主役を演じた相手チーム、リバプールのMFを連想したかもしれない。スティーブン・ジェラードだ。
現にバルベルデは、パワー、ストライドの長さ、ドリブルのクオリティ、疲れ知らずのスタミナ、縦への推進力、パンチが利いたミドルシュートとジェラードの特長をことごとく受け継ぎ、しかもそのいずれの能力においてもまだ多くの伸びしろを残している。しかし、シャイなのか、自信がなかったのか、あるいは周りに遠慮していたのか、なかなかその能力をピッチ上で解き放つことができずにいた。
【動画】「ゴラッソ製造機」「何回見ても意味わからん」など反響!バルベルデの超絶ミドルをチェック
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現にバルベルデは、パワー、ストライドの長さ、ドリブルのクオリティ、疲れ知らずのスタミナ、縦への推進力、パンチが利いたミドルシュートとジェラードの特長をことごとく受け継ぎ、しかもそのいずれの能力においてもまだ多くの伸びしろを残している。しかし、シャイなのか、自信がなかったのか、あるいは周りに遠慮していたのか、なかなかその能力をピッチ上で解き放つことができずにいた。
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