【J2昇格記念インタビュー】レノファ山口/FW岸田和人「32得点はあくまで通過点。もっと上を目指したい」

2015年11月23日 橋本啓(サッカーダイジェスト)

「山口に来てゴールに向かう積極性が一層強まった。それが結果を残せた最大の要因」

開幕からハイペースで得点を積み重ね、チームの快進撃を牽引。最終節の鳥取戦でも1-1に追いつくゴールを決めた。写真:Getty Images

 11月26日発売のサッカーダイジェストでは、悲願のJ2初昇格を果たしたレノファ山口の前線を牽引した岸田和人選手の独占インタビューを掲載。今季、圧倒的な得点力を見せつけ、J3で断トツ1位の32得点をマークしたストライカーは、自らのパフォーマンスをどう感じているのか。ここではその一部を抜粋して先行配信する。
 
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――J3得点ランクで断トツの1位です。今季のパフォーマンスを率直にどう感じていますか?
 
「満足しているか、してないかで言うと、正直満足はしてないですね。得点のなかには、『よく決めたな』って思うものもありますけど、逆に『なんでこれ決められなかったの』っていう場面も多いので。チャンスで決めていれば、シーズン前から目標に掲げていた1試合・1得点のペースを、現時点で達成しているはずですからね。周りの助けがあるから点が取れているわけで、自分の力で取ったゴールは数えるほど。そういう意味も込めて満足はしていないです」
 
――その言葉からもストライカーらしい貪欲さが伝わってきます。
 
「ユースや大学時代に出場機会に恵まれず、割と下積み時代が長かったので、『もっと上に』っていう欲が出てくるんだと思います。これだけゴールを取っても、上には上がいるんです。今季と同じパフォーマンスをJ2で、もっと言えばJ1でもできるかを考えた時、むしろ活躍できない可能性のほうが高い。GKとの1対1を確実に決めるとか、もっと圧倒的な力を示さないと通用しない。そういう意味では自分のレベルはまだまだだと感じています」
 
――昨オフに町田から山口にレンタル移籍し、21試合・17得点の成績でJFL得点王に輝きました。J3昇格1年目の今季も点を取れる自信があったのでは?
 
「それはありますね。この2年で自信が深まったのは確かです。自信があるからこそ、上を目指したいっていう目標も出てきますから。それから、上野監督が僕のことを信頼してくれて、成長できるようにいろいろな面でサポートしてくれたのも大きい。監督と出会わなければ、この2年でここまでの成長できなかったと思います」

――課題もあるにせよ、ここ2年で結果を残せている一番の要因はなんだと思いますか?
 
「良くも悪くもFWはエゴイストであれと言われますが、山口へ移籍後、ゴールに向かう積極性が一層強まったのが、最大の要因だと思います。そのうえで今年はチーム状態がすごく良い。だから、結果を残せているのは、ある意味妥当かもしれません。試合を重ねるごとに確かな手応えを感じていますし、監督も『お前は点を取れる選手になれ』と言ってくれる。そういう期待や信頼に応えたいというのもあって、ここ2年とも結果が付いてきたのだと思います」

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