「責任はロナウドをベンチに追いやった監督にある」元ポルトガル代表フィーゴが母国のW杯8強敗退を糾弾。一方で森保Jを賞賛「日本の戦いぶりは分析する必要がある」【インタビュー前編】

2023年03月27日 リカルド・セティオン

クリスティアーノの扱いは世界的なスキャンダルだった

現役時代にW杯に2度(2002年、26年大会)、EUROに2度(1996、2000、04年大会)に出場したフィーゴ。(C)Getty Images

 元ポルトガル代表のルイス・フィーゴが、率直に語ってくれた。「カタール・ワールドカップで印象に残ったチームは日本だ」。勝利への執念が心に響いたと評価した一方、準々決勝で敗れた母国については、対照的に辛辣な言葉を並べている。【インタビュー前編】

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――アルゼンチンの優勝で幕を閉じたカタール・ワールドカップは、どんな大会だったと言えますか?

 歴史的な大会だったね。FIFAがカタールでワールドカップを開催したのは非常に勇気のある決断だった。時期や気候など多くの面で過去の大会とは違っていたから、選手たちは環境に慣れるのに少し時間がかかったと思う。

 グループリーグでアルゼンチンがサウジアラビアに負けている(1-2)し、序盤は「奇妙」な結果が続いたね。ただ、最後はアルゼンチン対フランスという極めてまっとうな組み合わせになって素晴らしい試合を見せてくれた。世界中のサッカーファンにとって、心に残る大会になっただろうね。
 
――あなたの母国、ポルトガル代表は準々決勝でモロッコに0-1で敗れました。それにしても、なぜクリスティアーノ・ロナウドは控えになってしまったのでしょう?

 クリスティアーノの扱いは世界的なスキャンダルだった。私はチーム内の人間ではないから、なぜそうなったのかは知らないよ。クリスティアーノがベンチなんて、自分の目で見なかったら信じなかっただろうね。

――ポルトガルはもっと勝ち上がっても不思議ではない実力を持っていたと思います。

(エウゼビオを擁して3位になった)1966年大会以降で一番強いチームだったと思うし、私が代表にいた頃よりも実力は上だった。やはりワールドカップで勝ちたいなら、クリスティアーノをベンチに置いてはいけなかったね。

 これは無責任で恥ずべき行為で、大きな間違いだった。クリスティアーノを外した結果、ポルトガルはワールドカップで優勝できないどころか、重要な試合で勝つことができなかった。はっきり言おう。今回の敗退の責任はクリスティアーノをベンチに追いやった人間、つまり監督にある。
 

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