なぜ鹿島は水戸に0-2完敗? 何かが足りないと疑念を抱かせた一戦、新戦力FW知念慶の見解「やり続けることが大事」

2023年02月13日 渡邊裕樹(サッカーダイジェストWeb編集部)

「相手を支配する」戦いを実践したが…

水戸戦で2トップの一角として先発した知念。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

[いばらきサッカーフェスティバル]鹿島0-2水戸/2月12日(日)/ケーズデンキスタジアム水戸

 新戦力の良さが随所に見られ、目ざす戦いにも一定の手応えを得た一方で、何かが足りないと疑念を抱かせた一戦だった。

 水戸とのPSMで、鹿島は、GKに早川友基、最終ラインは右から常本佳吾、植田直通、関川郁万、佐野海舟、中盤はダブルボランチに樋口雄太とディエゴ・ピトゥカ、右に荒木遼太郎、左に松村優太、2トップに鈴木優磨と知念慶を並べた4-4-2の布陣でスタートした。 

 26分の失点シーンに絡んでしまったが、プレシーズンから左SBで試されている佐野は1対1の局面で強さを見せ、時には中盤のパスワークに加わるなど、既存の安西や広瀬にはない強みを発揮。後半からはアンカーを務めるなど、個人のアピールには成功した。

 最前線に入った知念もハードワークを厭わず、自身のボール奪取から強烈なショットを披露するなど存在感を示した。交代出場の藤井智也、垣田裕暉らも短い時間でもポテンシャルの片鱗を見せた。

 チームとしても立ち上がりは丁寧なビルドアップと前線からの激しいプレスで、岩政大樹監督が掲げる「相手を支配する」戦いを実践。荒木や知念がシュートチャンスを迎えるなど、ペースを握ってゲームを進めた。

 しかし、26分に縦パス一本から武田英寿の独走を許し先制点を献上。さらに後半も常本と樋口を下げ、安西幸輝と広瀬陸斗を投入した直後の57分に失点し、0-2のまま試合終了を迎えた。

 公式記録によれば、CKは8本、シュート数は14本を数え、水戸をCK2本、シュート5本に抑えており、狙いどおりに戦えていたと言えるだろう。

 ではなぜ勝ち切れなかったのか。
 
 もちろん攻め込んだ時間帯に得点できなかったことも一因だろうし、先制点を許したことも大きな要素だ。試合後の選手たちからもプレーについての反省や、悔しさがにじみ出たコメントが聞かれたなか、端的に表わしたのが川崎フロンターレから加入した知念だった。

「チームとして良くない流れを、みんなどこかで感じていたと思う。もっと一つになってやっていかないと、90分通して勝ち切れない。攻撃がどうとか、守備がどうとかだけではなくて、もっと自分たちがどうやって戦っていくのかを認識して、チームとして戦っていかないと勝てない」

 昨季こそ無冠におわったものの、鬼木達体制下で毎年のようにタイトルを獲得してきたチームを知るストライカーはそう語り、「課題がありながらも、悪い内容ではなかった。やり続けることが大事」と言葉を添えた。

「内容は悪くない」。その言葉を信じるだけの戦いは見えた。残された時間でどれだけブラッシュアップできるか。今季開幕戦となる2月18日のアウェー京都戦に注目だ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

【PHOTO】水戸2-0鹿島|武田&村田の2発で水戸が鹿島に快勝!いばらきサッカーフェスティバルで2連勝!!
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