「いや、むしろ逆ですね」。新生・町田の10番のひと言で、黒田ゼルビアへの期待がさらに膨らんだワケ

2023年02月13日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「攻撃パターンがひとつにならないようにもしたい」

新天地の町田で10番を背負う髙橋。仙台とのJ2リーグ開幕戦に向けて意気込みを語った。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 青森山田高を全国屈指の強豪へ育て上げた黒田剛新監督の下、FC町田ゼルビアがJ2リーグ開幕に向けて好調だ。キャンプのトレーニングマッチでは、北海道コンサドーレ札幌に2-1、京都サンガF.C.に3-1、鹿島アントラーズに3-0、サンフレッチェ広島に2-1とJ1クラブに4連勝。上々の仕上がりに見える結果を受けて、「J1勢に勝てたのは自信になったのでは?」と10番の髙橋大悟に訊いた。

「いや、むしろ逆ですね」

 結果とは相反するひと言だったが、真意を聞けば黒田ゼルビアへの期待がさらに膨らんだ。

「J1とJ2では違うのもありますし、『J1クラブに勝ったから俺らはできる』とは僕も、チーム全体としても思っていないです。むしろ、勝つ度に、『もっと締めていかないといけない』と感じています」

 掲げる目標がJ2優勝だからこその言葉だろう。さらにブラッシュアップすべきポイントはあると、髙橋が話を続ける。

「もっと良くなるところはありますね。局面を打開する部分はもっとできる。攻撃パターンがひとつにならないようにもしたい」
 
 局面打開と攻撃のバリエーション増加で鍵を握るのはオフェンス陣の連係。とりわけ、カタール・ワールドカップでも活躍したオーストラリア代表のミッチェル・デューク、19年に横浜F・マリノスのJ1優勝に貢献したエリキはキーマンになるはずで、このFW2枚看板とのコンビネーションについて髙橋はこう語る。

「今でこれだけ分かってきているので、シーズンとおして1年間やっていけば、お互いに活躍できるかなと。僕が彼らを上手く使って生かしてあげれば、ふたりとも"味"が出るはず。間に入るなど彼らを常に助けられるポジションを取って上手くやれれば、彼らに点を取らせてあげられると思う」

 今オフに選手を大幅に入れ替えた現状、新戦力のフィットが重要になるのは間違いない。そのためのスタッフの体制も充実しており、実際トレーニングでは黒田監督、金明輝ヘッドコーチ、山中真コーチなどを筆頭に手分けして各選手に指導。細部まで目が行き届いた練習の雰囲気はすこぶる良好だった。

「そこはみんながギラギラしているからだと思いますよ」(髙橋)

 野心を持った新加入選手や新スタッフが集結した新生・町田は、2月19日14時から行なわれるJ2リーグの開幕戦でベガルタ仙台と対戦する。昇格候補のひとつであるクラブとの一戦に向けて「優勝という目標達成に向けた1歩目には良いカード」と髙橋が言うとおり、必見のオープニングマッチであるのは確かだ。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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