【番記者推奨!C大阪のブレイク候補】自らの立ち位置や課題に向き合う大迫塁。定位置奪取のハードルは高いが「左利きはいない。違いは出せる」と意気軒高

2023年02月04日 種村亮

ボランチ、インサイドハーフ、トップ下が主戦場に

期待のルーキー大迫。来たるべき時に向け、着実に力を蓄えている。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 来るべき2023年シーズン、リーグを盛り上げるのはいったい誰か。新たなスターは生まれるのか、未来を切り拓くニューヒーローは出現するのか。番記者推奨のブレイク候補、今回はセレッソ大阪のMF大迫塁だ。

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 セレッソ大阪で例年以上に層が厚いポジションとなっている今季の中盤。そこに割って入ることは至難の業でも、小菊昭雄監督に起用を試してほしい選手が、鹿児島・神村学園高から入団した大迫塁だ。

 特長は左足から放たれる高精度のキックと、ゲームメイクに長けた抜群のセンス。今冬の全国高校選手権では4強入りの原動力となった。

 圧巻は準決勝の岡山学芸館戦。1-1の後半14分、ゴール正面右約20メートルで得たフリーキックで直接ネットを揺らし、一時勝ち越しとなるゴールを奪った。試合はPK戦に敗れ全国制覇には届かなかったが、大会で与えたインパクトはドイツ1部ボルシアMGに加入したエース福田師王にも劣らなかった。

 大迫は悲しむ間もなく、試合翌日に大阪に移動しC大阪の新体制発表会見に出席。「(決勝に進出し)ここに来られてないのが1番良かったけど……」と悔しがる一方、「次のステージに向けて切り替えている。早くセレッソでプレーしたい」と新天地での活躍を誓った。
 
 1月11日からスタートしたタイキャンプには帯同せず、日本で調整。22日からの宮崎キャンプでチームに合流した。「今はプロとしての身体作りをする。それが1番の目的」と指揮官が説明したように、大迫と京都・東山高から入団した阪田澪哉の高卒ルーキーコンビは、キャンプで報道陣に公開された練習試合2試合(25日・ヴェロスクロノス都農戦、29日・J2金沢戦)に出場することはなくトレーニングで汗を流した。

 実戦の場でアピールしたい気持ちは強いはず。それでもレフティは自分に言い聞かせるように「(定位置を)狙っていかないといけないけど、まだ難しいかなという感じ。フィジカルはまだ足りないし、サッカーとして高校とは全然違う。まずは戦術とかやるべきことを理解しながら」と語り、「チャンスがどこかで出てくると思う。その時に力を発揮できるように準備したい」と言葉に力を込めた。現時点の自身の立ち位置や課題を明確に捉えていることを感じ取れた。

 C大阪の布陣ではボランチ、インサイドハーフ、トップ下が主戦場となる。チーム内には絶対的な司令塔である主将の清武弘嗣をはじめ、奧埜博亮、原川力、鈴木徳真と実力者がポジションを争っており、そこに香川真司も12年半ぶりに復帰を果たした。

 1年目の選手にとっては非常にハードルは高いが「ボランチには左利きの選手はいない。そこで違いは出せるかなと思う」と大迫。来たるべき時に向け、今は着実に力を蓄える。

取材・文●種村亮(報知新聞社)

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