残念なことだが、誤った怒りのぶつけ方をする者はなくならないようだ。

　サッスオーロのドメニコ・ベラルディが殺害の脅迫を受けた。『ANSA通信』などイタリアメディアによれば、妻のSNS投稿に対し、脅迫メッセージが寄せられたという。

　１月29日のセリエA第20節で、サッスオーロはミランに敵地サン・シーロで２-５と大勝した。これを受け、ベラルディの妻はSNSに数字の５と試合のテレビ映像を投稿。これに「死ね」「ダンナを見たら殺す」といった脅迫が届いたようだ。

　また、妻はインタビュー中のベラルディが映るテレビ画面に幼い息子が近づき、キスをする動画も投稿しているが、こちらにも批判が寄せられた。「平凡な選手で野心がない。一生サッスオーロにいろ」や、「息子に説明しろ。審判をだまそうとしてばかりだとな。めでたいぜ。アンチスポーツマンシップの素晴らしい模範だ。まったく素晴らしい男だよ。恥を知れ」といったメッセージだ。
 

　ベラルディは試合で１得点、３アシストと大活躍し、サッスオーロを勝利に導いていた。ベラルディはミラン戦でこれまでに18ゴールに関与。ミランにとって最大の"天敵"という。

　クラブ史上初という２試合連続４失点超で敗れたミランは、公式戦ここ６試合で２分け４敗の白星なし。ここ４試合で14失点しており、リーグ順位も５位に落ちた。ズラタン・イブラヒモビッチが加入する前の2019年12月にアタランタ戦で５失点して敗れて以来の不振と騒がれている。

　昨季王者にもかかわらず、首位を快走するナポリに差をつけられ、直近の不振でステーファノ・ピオーリ監督に対する信頼も取りざたされるなど、ミランが緊張に包まれているのは間違いない。

　だがもちろん、どんな理由があろうと、脅迫メッセージを寄せるなど言語道断だ。サッスオーロはベラルディ家に対する「完全な連帯とサポート」を強調。「SNSを通じた暴力を止めよう！」と、一部の愚か者の行為を批判している。少しでも野蛮行為が減るのを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

【画像】脅迫を受けたベラルディの妻と父親が映るテレビ画面に近づく息子