「チョ・ギュソンでさえ行けない…」“カタール経由欧州行き”の韓国代表戦士はゼロ! 過小評価の現実に地元メディアも嘆き節

2023年01月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

「韓国と欧州の間には小さくないズレがある」

カタールW杯で2得点を決め、一気に名を揚げたチョ・ギュソン。本人も欧州移籍を熱望したが、今冬での実現は難しい情勢だ。(C)Getty Images

 欧州サッカーシーンにおける冬の移籍マーケットがクローズされるまで、残るはあと4日となった。これから最後の駆け込み移籍が続々と決まりそうだが、韓国サッカー界はさほど盛り上がっていないようだ。

 カタール・ワールドカップにエントリーした韓国代表26名のうち、欧州クラブに籍を置く選手はFWソン・フンミン(トッテナム)やFWファン・ヒチャン(ウォルバーハンプトン)、DFキム・ミンジェ(ナポリ)ら7名にとどまった。欧州組が26名中18名を数えた日本代表とは大きな差があり、大会前に韓国メディアが騒ぎ立てていたのは記憶に新しい。

 ワールドカップ本大会で韓国は3大会ぶりに決勝トーナメント進出を果たし、韓国国内は熱狂の渦に巻かれた。FWチョ・ギュソン(全北現代)やMFナ・サンホ(FCソウル)には複数の欧州クラブからオファーが届いたとされ、連日のごとく更新される情報がメディアを賑わせたが、最終的に移籍交渉はひとつもまとまらなかった。

 この厳しい現実を受けて、韓国メディア『FOOTBALLIST』は「韓国代表戦士の"ワールドカップ特需"はゼロ……韓国と欧州の間には小さくないズレがある」と題した記事を掲載した。

 ワールドカップでの2得点で一躍、国民的ヒーローとなったチョ・ギュソンにはセルティック(スコットランド)を筆頭にマインツ(ドイツ)、ウディネーゼ(イタリア)、ミネソタ・ユナイテッド(アメリカ)などが有力な新天地候補に浮上。さらにナ・サンホにもパナシナイコス(ギリシャ)をはじめ、トルコやデンマークのクラブが強い関心を寄せていたとされる。

 だが、同メディアは「結果的に2選手ともこの冬の欧州移籍は叶わず、韓国に残ることになるだろう」と記し、「韓国の選手に興味を持つのは欧州の小・中規模のクラブだ。彼らにはそもそも潤沢な資金などないが、最終的には韓国のクラブが求める移籍金を用意できなかったということ。選手に対する評価額に大きなギャップが存在する」と分析した。

 セルティックはチョ・ギュソンの代わり、同じ韓国代表でワールドカップはバックアップメンバーだったFWオ・ヒョンギュを水原三星から獲得し、マインツも超大型FWルドビク・アジョルクをストラスブール(フランス)から買い取った。『FOOTBALLIST』は「チョ・ギュソンを取り囲んだあの熱狂的なムードはどこへやら。完全に下火になった」と伝える。
 
 韓国代表ではほかにも、今冬のマーケットでDFパク・ジスが広州恒大(中国)からポルティモネンセ(ポルトガル)へ移籍して欧州組となったが、同メディアは「パク・ジスはワールドカップ直前の試合で怪我をして最終メンバー入りしていないし、そもそもフリートランスファーだった。オ・ヒョンギュと同様に"ワールドカップ特需"ではない」と強調する。

 そして最後は「カタールで活躍して欧州へステップアップした選手はゼロだ。結局はチョン・ギュソンでさえ行けなかった」と嘆きつつも、「ワールドカップでのインパクトが霞んでしまっても、Kリーグで地道に良いパフォーマンスを発揮し続ければ、欧州への道は切り開けるはずだ」と期待を寄せた。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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