【日本 対 カンボジア|2-0】サッカーダイジェスト取材記者の採点&寸評/シンガポール戦に続いて柏木が躍動。悪癖を露呈した吉田は守備陣のリーダーとして不合格だ

2015年11月17日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

柏木の投入と相手のガス欠で、後半のパフォーマンスは向上したが…。

後半の2ゴールでカンボジアを退けた日本。なかでも光ったのは、長短のパスでチャンスを演出した柏木のパフォーマンスだ。

【日本代表・総評】 5.5
 前半は距離感が開きすぎて有効な組み立てが見られず、サイドでもタメを作れない。リズムが極端に悪く、逆にカウンターから幾度かピンチを迎えるなど厳しい出来だった。
 後半は柏木投入の効果もあり、組み立てとポジショニングが改善。相手のガス欠も手伝って押し込む展開になった。ただ、2点を奪って勝ち切ったとはいえ、物足りなさが上回る。

【PHOTOギャラリー】カンボジア 0-2 日本

 [個人採点・寸評]
12 西川周作 6
裏に抜け出た9番のラボラビー、14番のソクペンに何度かヒヤリとさせられるも、シュートは枠外で事なきを得た。ロングボールを放り込まれた際の対処法を、CBと詰めたい。
              
[DF
5 長友佑都 6
リスクヘッジを心掛けつつ、バランスを見て上下動。前半からタイミングの良いクロスもあったが、右ウイングでタメができればさらに活きたはずだ。
 
20 槙野智章 5
序盤から積極的に持ち運ぶが、22分に痛恨のパスミス。1対1の守備も決して盤石とは言えず、ラボラビーのキレに翻ろうされる場面も。
 
21 藤春廣輝 6.5
ポストを叩いた前半ロスタイムのシュートが最大の見せ場。と思いきや、終了間際に本田へ完璧なクロスを届ける。勝利を決定付けた点を高く評価し、6.5に。
 
22 吉田麻也 5
9分にあっけなく入れ替わられたシーンは、これまで何度も見られた最大の悪癖。フィードも不安定で、守備陣のリーダーとしては不合格だ。
 
[MF
3 遠藤 航 4.5
アンカー的に振る舞うも、周囲との距離感が合わず攻守において中途半端なプレーに終始。単純なミスも多く、前半のみでピッチを退いたのも当然。
 
10 香川真司 5.5
ボールが受けられず頻繁にボランチと同列に落ちるなど、前半は特にヤキモキ。狭い局面を突破する動きは何度かあったが、"さすが"とまではいかなかった。
 
16 山口 蛍 6
後半になって中盤のバランスが良くなり、セカンドボールへの読みと出足が鋭さを増した。スルーパスやミドルなどで攻撃への積極性も見せていた。
 
[FW
8 原口元気 6
サイドからの突破は目を見張る一方で、良くも悪くもひとりでやろうとし過ぎる。細かいパス交換にもっと絡みたい。多くの選手と同様、後半にパフォーマンスが上向いた。
 
9 岡崎慎司 5
長谷部の代わりにキャプテンマークを巻いたが、気合いがやや空回りした。チェイシングや裏への抜け出しで存在感を見せたが、PKを外したうえにノーゴールでは…。
 
11 宇佐美貴史 4.5
何度か1タッチでパスを交換しながらエリア内に侵入するも、フィニッシュに至らなかった。球際の弱い守備はもちろん、攻撃でも輝けなかった。
 
交代出場
MF
7 柏木陽介 7
投入直後、名刺代わりのミドルパスでPK獲得に貢献し、FKから先制点となるオウンゴールを演出。左足の精度に加えて時間の作り方も素晴らしく、組み立て崩しの両方で躍動した。
 
FW
4 本田圭佑 6
やはり身体は重そうで、良い時のイメージからは遠い。それでもタメを作って周囲のフォローを呼び込み、中央に寄ってゴールを狙い、決定力も見せつけた。
 
FW
18 南野拓実 -
88分に至近距離から放った左足は、惜しくもGKにストップされる。サイドへ流れて裏に抜ける動きなど、またも"片鱗"を出しただけで終わってしまった。
 
監督
ヴァイッド・ハリルホジッチ 5.5
柏木の投入は間違いなく当たったが、メンバーを変えない前半のうちに手を打ちたかった側面も。南野にはもう少し時間を与えたかった。
 
※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。
 
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