【EURO2016予選プレーオフ】守備の見本を示したアイルランドが連続出場達成!――アイルランド 2-0 ボスニア・ヘルツェゴビナ

2015年11月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

狙い通り・思い通りのホームチーム、何もできないボスニア…。

どんなチームも舌を巻くほどの粘り強く堅固な守備でフランス行きのチケットを手にしたアイルランド。突出したスターはいないものの、レベルの高い個が強い絆で結びついている。強豪国にはない魅力を、今回のチームも醸し出している。 (C) Getty Images

 現地時間11月16日、EURO2016予選プレーオフの第2戦が行なわれ、アイルランドがホームでボスニア・ヘルツェゴビナ(以下ボスニア)を2-0で下し、合計スコア3-1で2大会連続3回目の本大会出場を決めた。
 
 第1戦では持ち前の守備力を発揮し、アウェーゴールを奪っての引き分けという上々の結果を持って自国に帰って来たアイルランド。ホームの大観衆に見守られての決戦では、より守備面で高い集中力を保ちながら、攻撃でも効果的なプレーを披露し続けた。
 
 アウェーでも出足の速い守備でボスニアに自由を与えなかったアイルランドは、ホームではさらにプレッシャーを強め、テクニックで鳴らす相手の持ち味を潰し、パスコースを消し去ってしまった。パスの出しどころをどこにも見つけられないボスニアのDFが、最終ラインで途方に暮れたほどである。
 
 そしてボールを奪うと、機を見て後方から選手が上がり、相手の守備が整わないうちにサイドから良質のクロスを入れて、ボスニアのDF陣をたびたび慌てさせた。ここでは、積極的な上がりと正確なキックが光る左SBのブレイディ、そして第1戦は出場停止だったFWウォルターズのキープ力が活きた。
 
 一方のボスニアは、とにかくゴールが必要な状況で、MFピニャッチとFWゼコのホットラインに期待が集まったが、守備のブロックが全く崩れないアイルランドの前に効果的なプレーが全く披露できない。
 
 相手からの猛烈なプレッシャーを嫌ってピャニッチがポジションを下げたことで、前線の常に複数のDFに取り囲まれたゼコとのホットラインは分断され、分厚い攻撃を展開することが最後までできずに終わった。
 
 試合は24分、アイルランドのマーフィーが右サイドから入れたクロスが、ズカノビッチの腕に当たってPK。これをウォルターズが落ち着いてゴール左隅に決めると、ホームチームはますます有利、そして楽になった。
 
 ボスニアは34分、ピャニッチのロングパスをゼコが頭で落とし、メドゥニャニンがフリーでシュートチャンスを得るも、ボレーはクロスバーを越える。これが前半唯一の得点機だった。
 
 後半も、試合展開に変わりはなかった。ボスニアにボールを持たせたアイルランドが、効果的なプレーを許さない。下がりすぎることなく、絶妙な間合いを保って相手にプレッシャーをかけ、危険な位置では数的優位な状況でボールを奪い取る。戦術としての優秀さもさることながら、選手個々の技術と意識の高さが感じられた。
 
 これに対し、攻撃のリズムが単調で打開策を見出せないボスニア。同点の予感が全く感じられないまま試合は進み、70分、FKからウォルターズの2点目のゴールを許して万事休した。アディショナルタイムのイビシェビッチの強烈なシュートもクロスバーを叩くなど、この試合ではやることなすこと全てがうまくいかずに終わった。
 
 アイルランドはうれしい2大会連続の本大会出場。今予選では世界王者ドイツに対して1勝1分けという成績を残すなど健闘していただけに、これで出場権を逃すわけにはいかないという気持ちが、プレーオフではより強く感じられた。
 
◇第1戦
ボスニア・ヘルツェゴビナ 1-アイルランド
得点:ボ=ゼコ(85分) ア=ブレイディ(82分)
 
◇第2戦
アイルランド 2-ボスニア・ヘルツェゴビナ
得点:ウォルターズ(24分・70分)
 
☆合計スコア3-1でアイルランドが2大会連続3度目の本大会進出
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