【EURO2016予選プレーオフ】会心の勝利を飾ったハンガリーが1972年以来の本大会へ――ハンガリー 2-1 ノルウェー

2015年11月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

守備意識の高いハンガリーが思い通りにゲームをコントロール。

ノルウェーの攻撃をいかに凌ぎ切るかが課題だったハンガリーにとって、前半14分で先制点を奪えたことは大きかった。今回のプレーオフ2試合では、あまりに見事な試合運びを披露した。 (C) Getty Images

 現地時間11月15日、EURO2016予選プレーオフの第2戦が行なわれ、ハンガリーがホームでノルウェーを2-1で下し、2戦合計スコア3-1で1972年大会以来、3度目の本大会出場を決めた。
 
 第1戦では大部分の時間帯で主導権を握られながら、前半の1点を守りきったハンガリー。ホームでの決戦では、試合開始直後から攻め込んでいきなりCKを得る積極性を見せた。
 
 その後は第1戦同様にノルウェーがボールをキープする時間が多かったものの、第1戦と違ったのは、ハンガリーの守備が非常に良く、ノルウェーの良さを完全に消していたことだ。
 
 ハンガリーは選手全員の守備意識が高く、守勢時はもちろん、攻撃陣にボールを失ってからの守備への切り替えも非常に速く、ノルウェーにいっさいの隙を与えない。中盤ではMFナギらが良いかたちでボールを奪い、高いラインを保つノルウェーDF陣に脅威を与えもした。
 
 14分、DFからロングパスで抜け出したFWプリシュキンが左サイドからドリブルで持ち込み、DF2人をかわして見事なカーブシュート。これがゴール右隅に突き刺さり、ホームチームが早くも先制点を挙げた。
 
 まさに狙い通りの展開で(2戦合計での)リードを広げたハンガリー。これで、ますます無理をする必要がなくなり、守備に大部分の神経を集中させながら、時折機を見て効果的な攻撃を披露する。
 
 前半のボールポゼッションはノルウェーの約半分に止まったハンガリーだが、そう感じられないほどに危なげなく安定したプレーに終始。チーム全体で文句なしのゲームコントロールを行ない、思い通りの45分間を過ごした。
 
 対するノルウェーは、レアル・マドリー所属の16歳ウーデゴーがボールを持ち、これに複数の選手が絡んだ際にはゴールの予感が感じられるプレーに結びついたものの、全体的には拙攻が多く、完全にハンガリーの術中に嵌ってしまった。
 
 後半、そのウーデゴーが退いたことで、ますます攻撃が単調になったノルウェーに対し、より守備意識を高めたハンガリーが分厚い壁を築いて立ちはだかる。そして前半同様、攻撃ではジュジャーク、クラインハイスラー、ロブレンチチ、プリシュキンが判断の良いプレーで相手にゴールに迫りながら、残り時間を潰していった。
 
 そして83分、CKから交代出場のFWベーデが頭でコースを変えると、これがノルウェーのヘンリクセンに当たってオウンゴール。チーム全体でのハードワークが報われたかのような幸運な追加点で、ほぼ勝負は決した。
 
 その4分後、ノルウェーは波状攻撃からヘンリクセンが今度は相手ゴールを破るも、時すでに遅し。ハンガリーが残り時間を余裕を持って凌ぎきり、来夏のフランス行きのチケットを手に入れた。
 
 EUROでは4位に輝いた72年大会以来、メジャーイベントでは86年メキシコ・ワールドカップ以来の本大会進出となったハンガリー。今予選では、最も成績の良い3位チーム(無条件で本大会に進出できた)の座を最後の最後にトルコに奪われていたが、プレーオフでは自力で幸運を引き寄せた。
 
◇第1戦
ノルウェー 0-ハンガリー
得点:クラインハイスラー(26分)
 
◇第2戦
ハンガリー 2-ノルウェー
得点:ハ=プリシュキン(14分)、オウンゴール(83分) ノ=ヘンリクセン(87分)
 
☆合計スコア3-1でハンガリーが11大会ぶり3度目の本大会進出
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