【日本代表】付け入る隙は少なくない。希少な左利きCB丸山は指揮官の期待に応えられるか

2015年11月15日 増山直樹(サッカーダイジェスト)

チャンスをもらえれば一気に飛躍する可能性も秘めている。

二度目の代表招集となった丸山。カンボジア戦では出場のチャンスを掴めるか。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 槙野の負傷で追加招集されて以来二度目の代表入りとなった丸山は、シンガポール戦をベンチから見守った。その試合では、FC東京でCBコンビを組む森重が攻撃面でアピール。守備も無失点で切り抜けた。
 
 丸山は試合を通じて「すべてが参考になった」とし、「特に集中力の部分。カウンター1本でやられてしまうような相手だったので、90分間通してCBに限らずみんながしっかりできていた」と無失点で勝利したチームを称えている。 
 
 ただ、今後は控えに甘んじてばかりいられない。26歳という年齢は、決して若くない。今回が二度目のチャンス。ここで爪痕を残さなければ、次も呼ばれる保証はどこにもないのだ。
 
 本人も自覚している。代表への慣れについて問われると、「慣れましたし、今度はアピールをしっかりやっていきたいと思います。ただ、チームが勝たないと元も子もない。今は自分ができることを100パーセント練習でしっかりやって、出場のチャンスもらえたらなと。準備をしっかりしている段階です」と言い切った。
 
 現状で、CBは最も層が薄い部類に入る。軸となる吉田ですらミスが散見し、槙野と森重はほぼ横一線だ。そこに丸山、丹羽、水本、昌子らが続く形だが、序列は曖昧で、その差もそこまで大きくはない。
 
 ただし、ミスが許されないポジションにおいて、真剣勝負の経験は不可欠だ。たとえ相手がアジアの格下であろうと、2次予選を戦うなかで磨かれるメンタルは計り知れないものがある。つまりはその点で森重以上の3人とは差があり、逆にここでチャンスがもらえれば、一気に飛躍する可能性も秘めているとも言えよう。
 
 希少な左利きCBは、「身体の開き方やトラップの仕方によって、ロングボールや斜めにも蹴れますし、活かしていける」(丸山)との特性を発揮し、指揮官の「少しチャンスを与えたいと思っていますし、チャンスを掴んでほしい」という期待に応えられるか。
 
取材・文:増山直樹(サッカーダイジェスト編集部)
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