伝統の一戦は手負いのアルゼンチンが宿敵ブラジル相手に痛いドロー――アルゼンチン 1-1 ブラジル

2015年11月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

最前線の3人で完遂させたアルゼンチンの見事なカウンター。

フォーメーション&結果 (C) SOCCER DIGEST

 11月13日に2018年ロシアW杯南米予選第3節、アルゼンチン対ブラジルが開催され、97回目となる伝統のクラシコは、1-1の引き分けで終わった。
 
 前日に大雨でピッチコンディションが悪くなったため、一日順延となった今節最大の注目カードは、アルゼンチンは7位、ブラジルは5位と、ともに今予選で低調なスタートを切ったなかで迎えた。
 
 ここまで未勝利のアルゼンチンは、メッシ、アグエロ、テベス、パストーレ、ガライ、サバレタなど攻守のキーマンが相次いで離脱。「代わりは足りている」と試合前の会見で語った指揮官マルティーノが選択したのは、最前線にディ・マリア、イグアイン、ラベッシを置く、4-3-3だった。
 
 一方、コパ・アメリカでのサスペンションが解けたネイマールが戦列に復帰したブラジルは、最前線にオリベイラ、2列目に右からウィリアン、リマ、ネイマールを置く4-2-3-1の布陣で臨んだ。
 
 試合は序盤からブラジルがボールを持ちながら相手の綻びを狙い、アルゼンチンは自陣にリトリートして壁を作り、カウンターのチャンスを狙うという展開で進行するも、互いに決定的なシーンを作り出せない。
 
 20分過ぎから、アルゼンチンは10番を背負うディ・マリアとラベッシの両ワイドにボールを預け、サイドに基点を作り、ボックス内で待つイグアインと中盤から上がってきたバネガに合わせるシンプルかつ素早い攻めで、フィニッシュに繋げ始める。すると34分、カウンターから均衡を破った。
 
 ハーフウェーライン付近でボールを持ったディ・マリアが、相手の最終ラインの背後へと走り出していたイグアインに絶妙なスルーパス。これを右サイドで受けたイグアインが折り返すと、逆サイドからペナルティーエリア内に猛然と走ってきていたラベッシが、フリーで流し込んだ。
 
 先制してからは、ホームチームは自陣にブロックを構築。対するブラジルはネイマールにボールを集めるも、複数のマーカーに手を焼き、同点ゴールを挙げることができないまま後半に折り返すこととなった。

次ページドゥンガ、交代策が的中も…想定外の退場劇に悩みの種が増える。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事