J1で実績のある郷家友太は、なぜ9年ぶりにJ2の仙台に復帰したのか「スタンドから見ていた景色を、ピッチの中から見たい」

2023年01月12日 小林健志

新加入12人の中で特に大きな期待

中学生以来、久々に仙台のユニホームに袖を通した郷家。写真:小林健志

 J2のベガルタ仙台は1月9日、始動した。昨季のJ2リーグ終了後、いち早く伊藤彰監督の続投を決め、その後の編成作業も非常に早く進み、昨年12月25日の時点で今季のチーム体制を発表していた。

 J2のジェフユナイテッド千葉への期限付き移籍から復帰のMF秋山陽介を除くと12人もの選手が新たに加入した。J1の浦和レッズで活躍したMFエヴェルトン、Kリーグ浦項スティーラーズで昨季に10ゴールをマークしたFWホ・ヨンジュン、日本代表経験もあるベテランGK林彰洋など経験、実績のある選手や、J1でも活躍を見せていたFW山田寛人、MF相良竜之介など、若手の有望選手を獲得した。

 また、昨季は失点が多かったこともあり、伊藤監督の下、J2の甲府で活躍した経験を持つDF小出悠太や、昨季にJ2で熊本の躍進を支えたDF菅田真啓など、守備強化の人材も補強した。

 さらに、大卒の4人もGK梅田陸空は総理大臣杯、MFオナイウ情滋はインカレのファイナリスト。ユース出身のMF工藤蒼生やFW菅原龍之助も大学サッカー界で活躍してきた選手だ。J1昇格・J2優勝に向けて非常に分厚い補強を行なってきた。
 
 そうした新加入選手の中でも大きな期待がかかるのが、地元・宮城県の多賀城市出身であるMF郷家友太だ。仙台ジュニア、ジュニアユースで中心選手として活躍し、中学3年の2014年秋、故郷を離れて青森山田中へと転籍し、そのまま青森山田高へ入学。年代別代表や全国高校サッカー選手権でも活躍を見せ、J1のヴィッセル神戸に加入した。5年間でJ1リーグ108試合出場、10ゴールという実績をひっさげ、9年ぶりの古巣に復帰となる。

 9日の初練習を終えた郷家は「9年ぶりにこのエンブレムのついた練習着で練習し、うれしさがこみ上げてきました」と感慨にふけった。

 10日にスポンサーなどを招待して行われた結団式では「(ジュニアユースで2年下だったGK)小畑裕馬とご飯に行った時に帰って来たなと思いました」とコメント。式後の新加入選手会見では「今日、久しぶりに雪の中練習をして、やっと帰って来たなという思いです」と、仙台ジュニアユースの後輩との交流や、厳しい寒さの中の練習で、帰郷を実感していた。
 

次ページ故郷のクラブを再びJ1へ導くために、全力を尽くす

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事