伸びしろはメンタル面と積極的なリーダーシップ
アルテタ監督(右)からの信頼も厚いサリバ。(C)Getty Images
CBとしての守備のパフォーマンスに加え、攻撃の起点としても貢献しているのが、アーセナルのウィリアム・サリバだ。プレミアリーグ1年目ながら大きな存在感を見せているこの21歳は、一体なにが優れているのか。現役イタリア人監督のロベルト・ロッシ氏がサリバの能力を徹底解剖する(後編)。
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アルテタ監督がサリバを重用する理由は、高い守備力に加えて攻撃の局面、とくにビルドアップにおいて大きな貢献を果たせるテクニックと戦術眼をも備えているからだろう。
テクニックは現代のセンターバックに求められる水準を、余裕を持ってクリアしている。さらに右足のインサイドキックは精度がきわめて高く、グラウンダーのショートパス、ミドルパスをミスすることはまれだ。
後方からのビルドアップにおいては、リスクの高い無理なパスにはチャレンジせず、シンプルなパスワークとこまめなポジション修正によって近くの味方とのパス交換をこなしながら、確実なパスコースが見えた時には躊躇なく敵2ライン(DFとMF)間に縦パスを差し込む。
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アルテタ監督がサリバを重用する理由は、高い守備力に加えて攻撃の局面、とくにビルドアップにおいて大きな貢献を果たせるテクニックと戦術眼をも備えているからだろう。
テクニックは現代のセンターバックに求められる水準を、余裕を持ってクリアしている。さらに右足のインサイドキックは精度がきわめて高く、グラウンダーのショートパス、ミドルパスをミスすることはまれだ。
後方からのビルドアップにおいては、リスクの高い無理なパスにはチャレンジせず、シンプルなパスワークとこまめなポジション修正によって近くの味方とのパス交換をこなしながら、確実なパスコースが見えた時には躊躇なく敵2ライン(DFとMF)間に縦パスを差し込む。
これはテクニックに加えて優れた戦術眼と状況判断力を備えている証拠。ビルドアップというのは、まず自陣でのボールロストを避け、リスクを冒さず局面を前に進めることに徹した振る舞いが基本だ。
その点では、相手のプレッシャーを受けても焦って安易なバックパスに逃げることなく、落ち着いて敵の動きを見極めて正確なコントロールでかわすパーソナリティーも備えている。
時折見せる大きなサイドチェンジや相手最終ラインの裏へのロングフィードも十分な精度があるが、ここぞという時に使うだけで濫用することはない。
その点では、相手のプレッシャーを受けても焦って安易なバックパスに逃げることなく、落ち着いて敵の動きを見極めて正確なコントロールでかわすパーソナリティーも備えている。
時折見せる大きなサイドチェンジや相手最終ラインの裏へのロングフィードも十分な精度があるが、ここぞという時に使うだけで濫用することはない。