[高校選手権３回戦] 前橋育英２－１昌平／１月２日／浦和駒場スタジアム

　
　試合終了のホイッスルが鳴ると、昌平の10番・荒井悠汰は溢れる涙をユニホームで拭った。インターハイ王者・前橋育英に１－２の敗戦。小さくない注目を集めたFC東京入団内定レフティの冬が終わった。

「ここで終わりたくなかった。この仲間ともっとサッカーをしたかったし、もっと全国に昌平のサッカーを見せつけたかった……」

　３－１で勝利した初戦の近江戦後も笑顔はなく、「今日は全然ダメだった。切り替えて次はゴールを決めたい」と反省を口にした。その言葉通り、開始３分に先制ゴールを挙げた。相手GKが前に出てきたところを見逃さず、無人のゴールにダイレクトでロングシュート。超満員の会場をどよめかした。
 

「ゴールを決めてもチームが勝たないと意味がない」

　先手を取ったものの、大会屈指のタレント軍団は、強度の高い前橋育英の前になかなか強みを発揮できない。前半13分と後半10分に被弾して逆転され、終盤は盛り返したものの、ゴールをこじ開けられなかった。

「前橋育英が勝つという意見が多くて、食ってやろうと思ったんですけど、前半から相手が上回っていて、自分たちのサッカーができないまま終わってしまった。そこはすごく悔しい」
　
　それでも、後半23分にはFW小田晄平への一本のパスで絶好機を作り出すなど、ポテンシャルの片鱗は見せた。個の能力の高さは疑いようがない。

「（FC東京の）松木（玖生）君は１年目から活躍してるんで、自分もキャンプでアピールして、試合に関われるように頑張りたい」

　この悔しさは、Jの舞台で――。

取材・文●江國 森（サッカーダイジェストWeb編集部）

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