重圧を乗り越えて――初の日本一を目ざす昌平の10番・荒井悠汰が最後の冬に懸ける想い【選手権】

2022年12月29日 松尾祐希

「ベスト8の壁を超えて日本一を獲りたい」

昌平の10番を背負う荒井。最後の選手権で目ざすは優勝だ。写真:松尾祐希

 相手を蹴散らすようなパワフルなドリブル、ここぞという場面での決定力。今季はセットプレーのキッカーとしても存在感を示してきた。

 2年次から昌平の10番を背負う荒井悠汰(3年)が挑む最後の選手権。昨季はコンディションが整わず、10番としての役割を果たせていない。プレーも精彩を欠き、本来の良さを発揮する場面は限られた。

 プレッシャーを感じ、心が整わない時期もあったが、3年生になって躍動感のあるプレーを取り戻す。今年2月に加入内定したFC東京でのトレーニングも含め、新しい刺激を受けながら日々成長を遂げてきた。

 夏のインターハイはベスト4で敗れたが、その悔しさも胸に秘めている。最後の大舞台でチームに初の日本一をもたらせるか。大会の顔となる注目の10番に選手権への想いを訊いた。

――◆――◆――
 
――開幕が目前に迫ってきました。現在のコンディションはどうですか?(※インタビューは12月26日に実施)

「コンディションは悪くありません。状態は上がってきているので良いですね」

――ラヴィーダ(中学年代の所属クラブ)の時から考えれば、今の3年生の多くは6年間ともに戦ってきました。ただ、一度も日本一は果たせていません。中3の夏に行なわれたU-15クラブユース選手権は怪我を抱え、チームもベスト8で敗退。高校に入ってもタイトルには恵まれていませんが、今年こそ日本一を掴みたい想いが強いのでは?

「ラヴィーダでもベスト8が最高。それも含めてベスト8の壁がきついと感じていた。6年間、結果が出ていない。でも、仲間のことを分かっているし、色々コンビネーションを磨いてきたので、今年はベスト8の壁をしっかり超えて日本一を獲りたいですね」

――1年生の時は背番号は8で、先輩たちについていく感じで伸び伸びやっていた印象がありますが、今回の選手権は10番でエース。FC東京入りも決まってプレッシャーもあると思いますが、楽しみながらプレーしているのでは?

「1年生の頃はプロ入りが決まっている先輩たちの横で伸び伸びできた。今年は自分が3年生で最後の大会だし、プロ入りも決まっている。そのプレッシャーのなかで結果を残しつつ、下級生がプレーしやすいように自分が色々やってあげたいですね」

――色々と気を遣いそうですが、下級生は気にかけなくても堂々とやりそうですよね?

「そうですね(笑)。結構、頼りにしている後輩たちが多くて、気にせずに自分のプレーに集中できますね」
 

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