盛岡商を16年ぶりに全国での勝利に導いた“2年生エース”原田優汰が語る「理想の10番像」【選手権】

2022年12月30日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

10番を背負うことに「プレッシャーはありません」

殊勲の決勝ゴールを決めた原田は試合後、アシストした月折への感謝を口にした。写真:鈴木颯太朗

[高校選手権1回戦]盛岡商2-1帝京五/12月29日(木)/浦和駒場スタジアム
 
「逆転する試合が多いのは、今年のチームの良いところ。先制こそ許したが、気落ちすることなく、逆に火が付いたようなプレーを見せてくれた」
 
 盛岡商の中田洋介監督が試合をこう振り返ったとおり、鮮やかな逆転劇が印象的なゲームだった。
 
 盛岡商は帝京五と1回戦で対戦。前半をスコアレスで折り返すと、後半9分に先制点を許してしまう。しかし、失点の6分後に同点に追いつくと、勢いそのままに逆転に成功。終盤は粘り強い守備で1点のリードを守り切り、2回戦へと駒を進めた。
 
 盛岡商の選手権出場は11大会ぶり。2006年大会に優勝を果たした名門校だが、それ以降は全国の舞台での勝利はひとつもなかった。
 
 そんなチームを選手権での16年ぶりの勝利に導いたのは2年生の原田優汰だ。1-1で迎えた後半23分、右サイドからのクロスに泥臭く飛び込み、殊勲の決勝ゴールを挙げた。
 
 得点シーンを振り返って、原田は次のようにコメントした。
 
「月折(隼斗)君が右サイドで上手く収めて、良いクロスを上げてくれました。自分は合わせるだけだったので、月折君に感謝したいです」
 
 好プレーを見せたのは、ゴールの場面だけではない。ポストプレーや巧みなドリブルで攻撃を活性化させれば、労を惜しまずプレスをかけて守備にも献身する。原田も「収めて前を向く動きやファウルをもらうプレーは上手くできた」と手応えを語っている。
 
 攻守で重要な役割を担う原田は、2年生ながら背番号10を託されている。エースナンバーを背負う重圧を問われると、「プレッシャーはありません」とキッパリ。続けて、自身の目標をこう語った。
 
「自分なりの10番像を見せていければと思いますし、何よりチームの勝利が最も重要なので、そこに貢献していきたいです」
 
 原田の"理想の10番像"は「走れて、守備もできて、チームを勝たせる選手」だという。帝京五戦で見せた彼のパフォーマンスは、そんな"理想"が現実になるのではないかと思わせてくれるものだった。ハードワークとテクニック、強烈な左足ショットを備えた万能型アタッカーの躍動から目が離せない。
 
取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)
 
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