18歳の超逸材、神村学園FW福田師王。小柄で無名だった元DFがドイツ挑戦を叶えるまでの軌跡

2022年12月21日 松尾祐希

1年生とは思えないほど堂々とした振る舞い

ボルシアMGに加入内定の福田が会見を実施。「早くトップデビューして、勝たせられる選手になりたい」と意気込む。写真:松尾祐希

 今から6年前、神村学園の門を叩いた小柄な少年は県内で無名の存在だった。ポジションはDF。当時、ストライカーとして大成する予感はなかったかもしれない。

 しかし、神村学園の中等部、高等部で揉まれて才能が開花した。福田師王(3年)、18歳。来年1月からブンデスリーガ1部のボルシアMGに入団するストライカーはいかにして、海外挑戦の権利を手に入れたのだろうか。

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 12月20日、鹿児島県の神村学園高で入団記者会見が行なわれ、「ワクワクしていて、ドイツで早く挑戦したい」と意気込みを語った福田は、異例となる高卒での欧州挑戦に胸を躍らせた。

 福田の名が初めて知れ渡ったのは中学3年生の時。シーズン初めにDFからトップ下にコンバートされると、同年秋に行なわれた国体でブレイク。16歳以下で構成される鹿児島県選抜チームに飛び級で参加すると、優勝候補の千葉との一戦はFWとしてプレーし2ゴールの大活躍を見せる。
 
 脚光を浴びると、翌年2月下旬に1学年上のU-17日本代表にチェイス・アンリ(現・シュツットガルト)とともに初招集された。当時はまだ線が細く、動き出しの良さで勝負する点取り屋でゴールパターンも限られていた。ただ、神村学園高の有村圭一郎監督が入学前の時期に「同学年の大迫塁(C大阪入団内定)もそうだけど、もう1人面白い選手がいる」と嬉しそうに話していた。

 期待を背負った逸材は、入学直後からトップチームでポジションを掴み、不動のストライカーとしてゴールを重ねていく。動き出しの良さはもちろん、どこからでもシュートを狙う姿勢も持ち合わせており、1年生とは思えないほど堂々と振る舞っていた。

 同年9月に行なわれたプリンスリーグ九州・日章学園戦では、相手GKが前に出ているのを見逃さず、ハーフウェーライン付近から超ロングシュートを決めた。この一撃も決して偶然ではなく、常にゴールを狙っているからこその結果だった。2年次になってもその勢いは止まらなかった。

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