【4年後の日本代表“理想イレブン”】森保監督続投なら大きな変更はなさそう。板倉にはモチベーターとしての役割を期待したい

2022年12月16日 清水英斗

ベテランを頼りにするのはリスクがあるが…

スポーツライターの清水氏に訊いた4年後の日本代表“理想イレブン”。(C)SOCCER DIGEST

 日本代表はカタール・ワールドカップで2大会連続のベスト16敗退に終わった。ここから再び、4年後の大舞台に向けて熾烈なメンバー争いが繰り広げられていくが、次のW杯までにA代表へ定着しそうな選手は誰か。サッカーライターの清水英斗氏に、2026年W杯に臨む日本代表の"理想イレブン"を訊いた。

―――◆―――◆―――

 カタールW杯の主力メンバーは前回のロシア大会とは異なり、東京五輪世代などの若い選手が多かった。次の大会までの期間は3年半と若干短め、さらに森保一監督の続投濃厚の状況を踏まえても、ロシア→カタールほどには選手の入れ替えは進まないのではないか。というわけで、今大会からあまり変更はない。

 とはいえ、次回大会で35歳を超える吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹。さらに川島永嗣に至っては40歳を超えてくるわけで、彼らのポジションには新しい選手が必要になる。3年半後も吉田や酒井は、ならではのプレーをしそうだが、主軸で試合に出続けるのは身体的に厳しい。頼りにするのはリスクがある。
 
 現時点でベテランたちの代替として、パフォーマンス的に不安のあるポジションはないだろう。酒井の右SBは、今大会のメンバーに入ってもおかしくなかった菅原由勢が第一候補だ。怪我で招集辞退となった中山雄太を含め、選手はある程度揃っている。

 むしろ不安が残るのは、チームマネジメントのほうだ。

 ドイツ戦やスペイン戦で久保建英が前半のみで交代を告げられるなど、若手が不貞腐れそうになるタイミングが訪れた瞬間、長友や川島らがサッと声をかけてチームに引き戻す。全体が一体感を持ち続けるうえで、年長者たちの兄貴ぶりは縁の下の力持ちだった。

 逆に今の主軸の世代は、久保や鎌田大地を筆頭に、淡々と冷静なロジカルタイプが多い。それは良い面もあるが、短期決戦に向けて感情と一体感を爆発させようとした時、ブラボー長友の役割を担える選手が少ない。次のW杯はパフォーマンスよりも、モチベ―ティングが気になる。

 その意味で期待したいのは、板倉滉だ。どっしり構える存在感と、人懐っこさ、明るさを持っている。町野修斗もまだ成長の必要はあるが、「マチ!」とみんなに親しまれるキャラクターがチームを盛り上げていた。次も競争に勝ち残ってほしい選手たちだ。
 

次ページ少しずつゆっくり世代交代を進める重要性

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事